テレビやYouTube、ポッドキャストなどで話を聞いていると、元の英語の発音から変に外れているカタカナ語が気になってしまうことがあります。特に「ティザー」という言葉はそのおかしい状態で定着してしまっているので、いつも気になって仕方がありません。焦らすという意味のtease(ティーズ)からきているteaserなので、本来は「ティーザー」もしくは「ティーザ」が元の発音に近いはずなのですが、どこかの誰かが「ティザー」と表記して、それを文字として読んだ人がそのまま発音したのが定着してしまっているのだと推測します。
これについてはbackspace.fmのパーソナリティの一人でもある松尾公也氏もモヤっとしていたのか、ウェブメディアのテクノエッジに「エーアイではなくエアイ、インターネットではなくインタネト。トクン時代のカタカナ語圧縮主義と「ティザー」表記の考古学(CloseBox)」という記事を書いているのですが、ここからちょっと面白い話に展開しています。文字数が短いほうが効率的だからと長音符「ー」が省略されたのであれば、すべて省略してしまえばもっと効率よくなるのではないか、いっそ「ティザ」「エアイ」「トクン」でいいのではないかという話です。だいぶ飛躍した話で、冗談としか捉えられませんが、おそらく生成AIにはほとんど問題なく理解されるでしょうし、確かに効率はいいかもしれません。
ただし、これはあくまで文字として表記する場合の話であって、会話などで発音する場合には、少なくとも最初は、おそらくこれまでどおり「ティーザー」「エーアイ」「トークン」というように発音するのではないかということです。ネイティブな日本語話者は、カナ文字と発音は一致していると認識してしまっているので、このような表記のみの変更は不自然に感じるかもしれませんが、実際には日本語の発音はカナでは全然表記しきれていないので、そこにこだわる意味はないと思います。とはいえいずれ時間が経てば、書いた通りに近い発音に変わってしまう可能性も低くないと思いますが、言語が時間とともに変化するのは自然なことなので、それはやむを得ないと思います。
ちなみに余談になりますが、日本語がネイティブでない人にとっては日本語の長音や促音は難しいようです。松尾氏の記事にも以下のような例が挙げられていますが、多くの外国語話者にとってはこれこそが難しいところのはずです。
バッグをバグにすると、「バッグを修理した」のか「バグを修正した」のか、ロックをロクにすると、音楽なのか数字なのか一瞬迷います。
日本人は「日本語の母音はあいうえおの5種類」と教えられていますが、それはとんでもない話で、バッグの「バ」とバグの「バ」とバーグの「バ」が同じ発音かと聞かれて、自信を持って同じだと言えるでしょうか。発音コーチ / コンテンツクリエーターのだいじろー氏の動画を見ると非常に面白く解説されていますが、日本人は無意識のうちにたくさんの母音を使い分けているのに、5つしかないと思い込んでいるようです。あくまで文字として5種類に集約しているだけで、それを文字の通りに発音しているわけではないのですが、それも無意識だから難しいですね。
日本語は「母音の長さ」に敏感な言語で、「きて」と「きいて」の違いも簡単そうに思えるが、英語話者は認知が難しい。「ママ」と「まあまあ」も厳しい。
「鳳凰を追おう」に至っては「hooooooo」で、英語話者にはもう何がなんだか全く訳がわからない。「ほおおおおおおおおおおおお!!」に聞こえてる— だいじろー (@DB_Daijiro) August 15, 2022

