台湾の朝食で私たちが愛してやまないのが、豆乳を酢でおぼろ豆腐状にゆるく凝固させて出汁で割った鹹豆漿というものですが、台北にはミシュランガイドビブグルマンを何度も獲得している有名店があります。それが阜杭豆漿というお店なのですが、朝5時半の開店前から行列ができ始め、ピーク時には1時間以上並ぶとのことですが、実際に前回私が早朝ウォーキングで6時前に通りがかった時もすでに何十人もの列ができていました。

鹹豆漿自体はシンプルな料理なので、一体どこがそんなに違うのだろうか、長い時間並んでまで食べる価値があるものなのだろうかと疑問に思っていたので、これまでは行こうと思ったことはありませんでした。しかし、今回二人とも朝早くに目を覚ましたので早めに出かけられるようになり、どこかに朝食を食べに行ったとしても、そのあとまだどこも開いていないので持て余すな、と思った時に阜杭豆漿の存在を思い出し、いっそ並んでみるかということになりました。

ホテルからゆっくり歩いて行って店の前に着いたのは8時頃で、その時点でもやはり長い行列になっていました。200人以上は並んでいたでしょうか。しかし、フードコートになっているので座席数が多く、また注文も流れ作業になっているので列の進みが早く、結局ちょうど1時間ほどで注文して商品を受け取り、食べ始めることができました。

鹹豆漿は私が予想していたよりも確かに特徴があり驚きました。これまでに他店で食べたことがあるものと比べると、出汁が多めで豆乳の割合が低く感じましたが、それによってよりしっかりと出汁の味を感じることができ、豆乳スープというよりもかき玉汁に近いような、すまし汁のような上品さが感じられました。また、小海老がいくつも入っていて、出汁がしっかり出ていて確かに美味しかったです。また、香菜(パクチー)を載せてくれるのも珍しいところですが、このパクチーの香りもよく合っていました。

私が鹹豆漿の他に注文したのは厚餅夾蛋(厚焼きパン+卵)というもので、これは厚めのパンの間にネギ入りの卵焼きが挟まっているものでしたが、こちらは正直なところ特別美味しいものでもなかったので、阜杭豆漿では鹹豆漿だけ食べておけばいいかもしれません。鹹豆漿は確かにそれなりの価値はあると思いましたが、やはり1時間並んでまで食べるほどのものかというと微妙なところで、「一度食べる価値はあるが一度で十分」という巷での評価はその通りかもしれません。