2024年に関東の鉄道8社が発表(PDF)していることですが、鉄道の磁気乗車券の廃止とQRコードへの置き換えが計画されており、その先駆けとして東武鉄道があと1年でQR乗車券へ移行することを鉄道事業設備投資計画(PDF)の一環として発表しました。
QR乗車券への置き換えの目的は鉄道8社の発表に以下のようにあります。
- 持続可能なシステムへの移行
- より環境にやさしい用紙への置き換え
- お客さまサービスの向上
「持続可能な」というのは色々な意味を持つ言葉で、2番目の環境負荷もそこに含むことができるのではないかと思いますが、1番目で言っているのは磁気改札機の複雑な機構を廃止したいということでしょう。磁気を読み取るために切符にヘッドの前を通過させる必要があるので、そのために切符を送る機構が複雑で精密なものになっていて、保守にコストがかかっているのは間違いないでしょう。QRコードにすれば、かざした切符のQRコードを読み取るだけで済むので、可動部がなくかなり機構はシンプルになり、故障発生率も相当低くなるのではないでしょうか。
2番目の理由は切符の用紙に磁気層があるため、リサイクル時にこれを分離する必要があるというのが課題となっているようです。QRコードであれば印刷さえできればどんな紙でもいいので、レシートのようなペラペラの紙で済むでしょう。1枚1枚は微々たるものでしょうが、大量に使うのでコスト的にもだいぶ違うのではないでしょうか。
3番目はちょっとこじつけっぽい気もしますが、結局は改札機の複雑さによる問題ですね。ただ、顧客の利便性という点で言えば、例えばスマートフォンのアプリやウェブで切符を買えるようにするなんていうことも、あまりコストをかけずに対応できるようになるはずです。
なお、QRコードの乗車券というのは海外では特に珍しくなくなっています。日本特有の課題は大都市圏での通勤ラッシュへの対応で、そのためにFeliCaを利用したSuicaやICOCAなどの交通系ICカードという高コストなシステムを導入しているわけですが、QRコードでも同等の通過性能を実現できるのかというのが心配されるところです。様々な技術の進歩でQRコードでも問題なく対応できるようになったということなのでしょうが、何も考えずにタッチすればいいのと、センサーを狙ってかざさなければいけないのとでは、使い勝手というか使い心地は違うでしょうね。とはいえ、すぐにということはないにしても、熊本のバスのケースもあるので、いずれはICカードを置き換える時が来るのかもしれません。

