日本語の間違いが気になって仕方のない、近頃老害じみてきた私ですが、ずっと前から我慢しているのが「風のうわさ」というものです。もはや正しく使っている人の方が珍しいというか、おそらく正しい言葉を知っている人はわざわざこの言葉を使わないのではないかと思っています。
正しくは「風の便り」です。これは小学校の国語の教科書に出てきたと記憶しているのですが、太宰治の作品に「風の便り」というそのままの名前のものがありますが、これでしょうか。その子供の頃に聞いた言葉を、みんながうろ覚えで間違えて使ったのが定着してしまっているのではないでしょうか。本来は「噂」という言葉を婉曲的に、詩的に表現したもののはずなのですが、「風のうわさ」では「うわさって言っちゃってるじゃん」といつも心の中で突っ込んでいます。
使っている人はその間違いに気づいていないのだと思いますが、「すべて」と言えばいいところをカッコつけて「すべからく」と言ってしまっているのと近いような気がします。ただ「うわさ」と言えばいいのに謎の修飾をしてしまっているのですから、そういうことですよね。
まあ同じような話はネット上にたくさん書かれていて、すでに陳腐な話題のようですが、私もずっとモヤモヤしているのでちょっと吐き出したくなりました。「ChatGPTやGeminiに聞いたら誤用ではないと言われた」と書いている人もいますが、今私が聞いてみるとちゃんと誤用だと言ってくれるので、改善されたということなのかもしれません。そんな分かりにくいハルシネーションもあると困りますね。

