日本の路線バスでは運転手不足などにより一層の効率化が求められる状況にあり、国土交通省の施策もあって各地でキャッシュレス化の取り組みが進行していますが、首都圏の大手である京王バスでも2027年度に完全キャッシュレス化されるとの発表がありました。中小事業者ではなく、首都圏の大手事業者でもとなると影響を受ける利用者の数も段違いではないかと思われ、これによって一気に全国への波及が加速する可能性があります。
京王バスでは現在も路線単位で実証運行が進められており、来月からは営業所単位での実証運行へと移行していくようです。また、すでに乗客の96%以上がキャッシュレス決済を利用しているという状況とのことで、そこまで進んでいるのであれば完全移行へのハードルももう高くないと判断できるのかもしれません。なお、実証運行中は乗務員へ申し出ることで、やむを得ない場合の現金での支払いも可能とされています。
ただし、ただ利益を追求すればいいという企業ではなく公共交通機関である以上、残りの4%弱の利用者についても切り捨てることはできません。特に子供など、クレジットカードやデビットカードを持っていない人が降車時にICカードのチャージ残高が不足に気づいたという場合に、逃げ道がなくなってしまうのは困るのではないでしょうか。まあ、財布に現金が入っていなかったというのと同じだと言ってしまうこともできるかもしれませんが、何か解決策が考えられているのでしょうか。京王バスの場合、特に都区内は均一料金で前払い式なのでまだ乗る前に気づけるのでいいですが、多摩エリアでは区間によって料金の変動する後払い方式のため、降りる時になってどうしようもなくなってしまうというのでは大変です。
バスの完全キャッシュレス化によるメリットは乗降時間の短縮のほか、収集した現金の取り扱いが不要になるなど事業者側に利するものが大きいように思いますが、何らかの形で利用者側にも還元される様子が見えるといいですね。ただ、私は一般的なバスの現金の取り扱いには大いに不満があって、どうして普通の自動販売機などのようにコインを投入したら釣銭が出てくるという仕組みにできないのかとかねがね思っていました。皆が釣銭を当てにすると釣銭を取るために時間がかかったり、釣銭切れになってしまったりという問題はあるのかもしれませんが、利用者側に不便を強いているようで嫌いでした。これによるイライラがなくなるというだけでも私にはICカード乗車のメリットが大きく、これまでもできるだけICカードを利用するようにしていました。このため、その現金の取り扱いをもう目にしなくてよくなるというのは、それだけで晴れ晴れとした気分になります。…変でしょうか?

