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The Social Network

geekならより楽しめるはず。

現在日本でSNS、Social Networking Serviceといえばミクシィが最も多くのユーザを獲得しているようですが、その特徴の一つである「足あと」という機能が元凶で様々なトラブルが起こり、「怖くて実名で登録できない」という人が続出するようなおかしな世界になっていて、私は大嫌いです。足あとを見て「日記を見たのに何もコメントしないなんて失礼だ」なんて言う偏執的な人がいるらしく、気持ち悪くて仕方ありません。実際には伝聞だけで実際にそういう人にお目にかかったことはないのですが、それは幸運なのではなくて実生活上の知人以外は「マイミク」に登録していないからでしょう。

一方海外では、Facebookが圧倒的に普及していて、かなり幅広く浸透しているのを感じました。短期留学の際には学生同士の連絡手段としてメールアドレスの交換ではなくFacebookの「友達」設定の方が一般的でしたし、先日の出張の時は特にインターネットとは関係の無い話をしているときに「自分の名前はありふれている」ということを「Facebookで検索したらたくさん出てくる」というように表現するほど普通になっていました。私も社交的な性格ではないのでそれほどたくさんの友人ができたというわけではないのですが、サンフランシスコ滞在中にはFacebookに外国人の「友達」が何人も登録されました。

しかしこのFacebookもこの数年であっという間に広まったもので、その前にはMySpaceが世界を席巻していました。これほどのスピードでFacebookが拡大したのは驚くべきことですが、一体そこにはどんなドラマがあったのか、それを映画化したのが「ソーシャル・ネットワーク」という作品です。

この作品は先日ゴールデングローブ賞を受賞したことでもニュースになっていたところですが、その他にも数多くの賞を受賞していて非常に評価が高い作品です。そんなに一般受けするテーマだとは思えなかったのですが、先に公開されていたアメリカで普通の人に「あの映画は良かった。まだ観ていないのか?」と度々聞かれたので、それは単なる話題性だけではないのだろうと気になっていたのでした。

facebook
翻訳:夏目 大青志社 (2010/04/06)ISBN/ASIN:4903853853
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もともと「facebook 世界最大のSNSでビル・ゲイツに迫る男」という本の企画書をもとに作られた作品だということと、もちろん実話に基づいたものなのでその本の内容ともかけ離れるはずがなく、先にこの本の方を読んでいた私は映画で描かれている各エピソードがそれぞれ本の中のものと一致させることができました。しかし、全体的な構成は映画独自のもので、単に時系列を追っていくだけのものではなく、面白いものになっていたのではないかと思います。

主人公はMark Zuckerberg、Facebook創設者の一人で、Facebook初期のプログラマ、Facebookは実質的には彼一人が作ったものです。上記の本で読んでも、その他の情報から見てもちょっと人間性に問題があるような気がしていたのですが、この映画でもその通りのイメージで演じられています。本人もFacebookの従業員らと一緒に観たということなのですが、そのようなことは私にはとても耐えられませんね。ちなみに左の写真は本物のMarkです。

もう一人の主要登場人物はやはりFacebookの共同設立者で当初CFOだったEduardo Saverinです。彼とMarkとの関係の流れがこの映画の大きな見所でしょうから、ここでは触れないことにしましょう。

さらにMarkに大きな影響を与えFacebook躍進の鍵となったであろう人物、Sean Parkerを演じているのはJustin Timberlakeですが、これはちょっとカッコ良すぎるような気がします。音楽業界に大きな影響を与えたであろうNapsterの設立者の一人ということですが、金があるわけでもないのになぜか羽振りが良さそうにみえて、私もこんなふうに振舞ってみたい…なんて思ってしまいます。

ということで、実際インターネットギークの一人でインターネット関連企業の企業などにも関心を持っている私自身にとってはかなり面白かったのですが、果たしてこれは普通の人が見て面白いのでしょうか。それ以前に、Facebookについて予備知識のない人に理解できるものなのでしょうか。さすがにインターネットについての知識はある程度ないと苦しいのではないかと思います。映画としての出来が良いのは間違いありませんが、Facebookがどんなものなのか全く知らない人に感想を聞いてみたいものです。

ちなみに冒頭、Facebook誕生のきっかけの一つとなるFacemashのための顔写真のダウンロードにwgetが使われているのが映りました。このあたり、何となくそれっぽい画面でごまかされてしまうことなくしっかり考証が行われて作り込まれているようで、なんだか嬉しくなってしまいました。そんなところに見入っているのもきっと私だけではないでしょうね。