2008年に開始された、地方創生を目的とした「ふるさと納税」という制度は、だいぶ広く認知されていて、実際に利用している・したことがあるという人も多いのではないでしょうか。翌年に納める所得税・住民税の一部を任意の地方自治体に「寄付」し、その寄付額を確定申告するとその一部が控除されるという制度ですが、利用者にとってはそれよりも寄付額に応じて自治体から送られる「返礼品」が目当てとなっていて、ほとんど通信販売のようなものになってしまっています。
総体的に見ると、本来収められるべき税金の一部が返礼品の形で還付されてしまっているため、税収としては目減りしてしまっているはずです。また、利用しないと損をするような形になってしまっていますし、返礼品で争って利用者を釣るようなことにもなっています。このような点が良くない制度だと思っていて、利用してしまうと文句が言えなくなる、と言って私はこれまで利用を拒んできたのですが、昨年末になぜかふと冷めた気持ちになってしまい、試しに利用してみることにしました。
といってもそう思ったのが締め切り間際の大晦日のことで大丈夫なのかとも思ったのですが、Yahoo!のふるさと納税経由でふるなびを利用したらすべてスマートフォンで済んでしまい、ワンストップ特例制度の手続きまで数日で完了してしまいました。とても凝ったシステムが構築されていて、随分無駄なところに金を掛けているという気がしてしまいましたが、たしかに簡単は簡単です。予想以上にあっけなく終わってしまって、さすがに何千万もの人が利用する想定で作られているなと少々感心もしました。
私は凄く何かに負けたような気持ちになってしまったのですが、この制度はいったいいつまで続けられるのでしょうか。大都市圏への人口集中は今後も進むでしょうから、過疎地域への補助はますます必要になるはずですが、もっと効率のいい、公平な制度が必要なのではないでしょうか。