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Angel Has Fallen

命の扱いが軽すぎます。
👼🏻

今日観てきた映画「エンド・オブ・ステイツ」は「エンド・オブ・ホワイトハウス」「エンド・オブ・キングダム」に続く「エンド・オブ・〜」シリーズ三部作となるものですが、原題では1作めからそれぞれ”Olympus Has Fallen”、”London Has Fallen”、”Angel Has Fallen”のFallenシリーズ、あるいはHas Fallenシリーズとなっています。原題の方は本編中の台詞としても登場するので意味があるのですが、邦題は「エンド・オブ」なんて英語っぽく言っておきながらそもそも作品の内容とは全く違うもので、本当にテキトーで嫌になります。

この作品は劇場で他の作品を観たときの予告で知って観てみようと思ったのですが、つい最近までこれがシリーズものであることを知りませんでした。しかし、今はAmazon Prime Videoという便利なものがあり、おそらく本作の公開に合わせて前2作を無料で観られるようになっていたので、昨日・今日と1作ずつ観て予習することができました。といっても、過去作に関する知識は知らなくてもストーリーに直接関係することはなくまったく問題ありません。ただ、人物の過去を知ることで若干楽しみは増すでしょうし、それぞれそれなりに楽しめるので観られるなら観ておいた方が良いかもしれません。

過去2作ではホワイトハウス、ロンドン市街が壊滅的な損害を被りましたが、今回襲撃を受けるのは大統領が休暇で釣りを楽しんでいるところで、自律的に攻撃するドローン(UAV)の大群が襲いかかります。そこでシークレットサービスのエージェントである主人公Mike Banningは大統領を助け生き残ることになるのですが、彼は大統領暗殺の容疑者となっており、病院のベッドで手錠をかけられた状態で目を覚ますことになるのですが…というところまでは予告で見られるとおりで、その後Mikeはどうにか拘束から逃れ真相を探り逆襲に出るというような話です。

3作を通じてMike Banningを演じるのはGerard Butlerですが、過去2作より本人のアクションはやや減っているかもしれません。一方、今回の大統領はMorgan Freemanが演じるAllan Trumbullで、1作めは下院議長だったTrumbullは2作目で副大統領になり、今回ついに大統領に上り詰めたというわけです。まあ、過去2作でも大統領代理に一時的に昇格して表に出ていましたし、Morgan Freemanが演じているということでも映画の中での存在感は以前から大きかったわけですが。

私自身は本作をそこそこ楽しんで観ることができましたが、ストーリーにはそれほどひねりがあるわけではなく、批評家による評価はあまり芳しいものではないようです。しかし、アメリカ特有というか、大統領周りの特有な事情が描かれているようなところがシークレットサービスを主人公に据えたこのシリーズの面白いところだと思うので、その辺りが楽しめる人には面白いのではないでしょうか。

エンド・オブ・ホワイトハウス(字幕版)
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エンド・オブ・キングダム(字幕版)
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Gemini Man

技術の進歩で実現。
♊

最近、Will Smithをよく見るようになっていたのはこの映画「ジェミニマン」のプロモーションのせいだったのでしょうか。自身もYouTubeチャンネルを持っているということもあり、最近MKBHDのインタビュー”Talking Tech & Meme Review with Will Smith!“やBilingirl Chikaの動画「ウィル・スミスと手巻き寿司を作りながらゆるトーク!こんな気さくなハリウッドスターいる??〔#834〕」に登場したりしていて、かなり「いい人」という評判になっています。もともと「ジェミニマン」は劇場で観るまでもないかと思っていたのですが、私の中でWillの好感度が上がってしまったので観てみることにしました。なお、きっとテレビでの露出も増えているのでしょうが、私はほとんどテレビを見ないのでわかりません。

本作は、「Defense Intelligence Agency (DIA)という米軍の情報機関で暗殺任務につくHenry Broganは高速で走行する列車の乗客を暗殺するという任務を果たしたあと、任務への迷いなどから引退することにしたのですが、ある秘密を知ってしまったことからDIAに追われる身となってしまい、Henryの監視役として送られていたDani Zakarweskiを連れて逃げ、追手と相まみえることになるのですが…」というような内容になります。まあ予告やポスターでだいぶネタバレになっていますが、追手として送られてくるのはHenryと瓜二つの若者Juniorです。

主役Henryを演じるのがWill Smithなのですが、Juniorについてはモーションアクターや台詞はWillが演じているものの、映像についてはWillが若返りメイクをしたりWillの映像を加工したりしたものではなく、デジタル的にWillを若返らせたものをモーションキャプチャーで動かしているそうです。まあ超実写版「ライオン・キング」の例もある通り、現代の技術では人間以外のものでも自然に動かせてしまうのですから、それほど特別なことではないような気もします。

もう一つこの作品の技術的な目玉は、120fpsというハイフレームレート(HFR)で製作されているということです。fpsというのはframes per second、つまり1秒間に何フレームの画像を切り替えて表示するかというフレームレートの単位ですが、これが多ければ多いほど高速に画面が切り替わり、基本的に人間の目には滑らかな映像になるということになります。通常の映画は24fps、日本のテレビ(地デジ)は30fps、ネット配信やYouTubeでも通常は60fpsまでなので、相当な滑らかさの映像となっていることでしょう。しかし残念ながら全ての劇場でHFR上映できるわけではなく、私が観た劇場でも特に表示がないので24fpsあるいは30fpsでの上映だったのではないかと思います。120fpsというのはおそらく普通の人の目には極限の滑らかさでしょうから、機会があればぜひ一度観てみたいものです。

今回Henryと一緒に逃げ、そして一緒に戦うことになるDaniを演じているのはMary Elizabeth Winsteadですが、どこかで見たと思ったら「ダイ・ハード4.0」以降のJohn McClaneの娘Lucyや、「10クローバーフィールド・レーン」の主人公Michelleを演じていたのでした。最近Amazon Prime Videoで「10クローバーフィールド・レーン」が見られるようになっていたのはひょっとするとこの作品の関係だったのでしょうか。Maryはちょっと清潔感があっていいですよね。

ということで私自身の感想としては、それほど新しさがあるわけではないような気がするけれど、「普通に面白かった」といったところでしょうか。Rotten TomatoesTomatometerは25%と厳しい数字になっていますが、Audience Scoreは83%もあるので深く考えずに楽に楽しめばいいということではないでしょうか。ただ、やはり120fpsで観られたとしたらきっと違う感想だったのではないかと思いますので、そこが一番残念なところです。

Joker (2019年の映画)

現実とそうかけ離れてもいないような気がするのが怖い。
🃏

これまでにここでも何度も書いていることですが、同じアメリカンコミックでもMarvel ComicsとDC Comicsではだいぶカラーが異なっていると思います。今、Marvel Cinematic Universeの作品群がすでに一つのジャンルと言ってもいいほど市場での地位を確立していますが、それに対してSupermanBatmanを擁するDC陣営はあまりうまく行っていると言えない状況ではないでしょうか。日本でもSupermanシリーズやBatmanシリーズはそれぞれ歴史や知名度があって知らない人はいないのでしょうが、Wonder Womanは最近の映画がそれなりにヒットしたとはいえ、その他のキャラクターが弱すぎます。

とはいえ、別にMarvelと同じようにする必要はありません。私自身の幼い頃のヒーローはSupermanでしたし、Batmanシリーズのダークで大人っぽい雰囲気も脳天気なMarvelよりも好みです。また、3年前に映画化されて2021年には続編が予定されているSuicide Squadもディズニー傘下のMarvelではとてもありえないような破天荒な作品で、私は大好きです。特にMargot Robbie演じるHarley Quinnがとても気に入っていて、今でもiPhoneの壁紙はHarleyにしているくらいなのですが、このHarley Quinnが主役の「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey」という作品も来年3月に公開が予定されていて、今から非常に楽しみにしているところです。

ということで前置きが長くなりましたが、このHarleyを狂気の世界に引きずり込んだ張本人であり、Batmanの宿敵の一人であるThe Joker がいかにして誕生したかを描いた作品「ジョーカー」がこの週末に公開されたので、こちらも早速観に行ってきました。

しかし実は、上映が始まって最初の30分ほどまでは観に来たことを後悔していました。というのは、この作品があまりにリアルなタッチで精神的に病んでいるThe JokerことArthur Fleckの状況を描いたものであり、とても痛々しいものだったからで、できるだけ気楽に生きていきたいと思っている私にとっては重すぎると感じたのです。しかしながら、それを乗り越えて観ているとThe Jokerについての理解を深めることができたと思います。

本作でArthurを演じているのはJoaquin Phoenixですが、この作品で生活に困窮するArtherを演じるために23kgほども減量したとのことで、演技も真に迫るものだったと思います。あまりに急激な減量は精神にも影響するということですから、もしかするとそれも寄与したのかも…なんていうことはあって欲しくありません。2008年の「ダークナイト」ではその公開直前に亡くなってしまったHeath Ledgerが主役を食う存在感の怪演を魅せていたのですが、本作のJoaquinの演技もArthurがThe Jokerに至る過程として決して劣るものではなかったと思います。

舞台となっているのはニューヨークをモデルとした架空の都市Gotham Cityですが、撮影がニューヨークで行われていることもあって紛れもなくニューヨークの出来事のように感じてしまいます。時代としては1981年の景気が悪く世の中が暗い頃なので、現代のニューヨークとは雰囲気は違うのですが、それでも非常に現実的に感じられてしまい、今でもニューヨークの街角ではArthurのような苦境に喘いでいる人がいて、現実のJokerが生まれてしまうのではないかと不安に…というのは言いすぎですね。しかし、ハイテクメカが登場するわけでもなく、荒唐無稽なところは一切ないので、設定さえ整ってしまったらこの狂気が現実のものとなってもおかしくないのではないかと思ってしまうのです。