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ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど (2017年の映画)

ますます台湾に行きたくなりました。
🇹🇼

今、関東地方では台風19号が猛威を奮っていて、気象庁も「これまでに経験したことのないような大雨」「何らかの災害がすでに発生している可能性が極めて高く」という特別警報を出すほどの大変な状況になっているようです。私の長男と両親や弟家族は東京に住んでいるのでちょっと心配ですが、私の住む播州地方はかすめていった程度で夕方まで雨が降り続けたものの特に大きな被害はなかったと思います。とはいえ、さすがの私も出歩く気にはならないような雨だったので日中は自宅で映画を観ておとなしく過ごすことにしました。こういうときにはAmazon Prime Videoは気軽に観られて本当に便利です。

今日は軽く観られるものが良いと思って邦画を中心に探してみたのですが、ふと目に留まったのがなぜかおすすめに出てきた「ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど」という作品でしたが、軽くあらすじやレビューを読んでみるとちょっと面白そうだったので観てみることにしました。

ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。
(2017-09-13)
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この作品はFacebookで公開されている実話を元にしたものだそうで、日本の文化が好きで大学の日本語科で学ぶリンちゃんこと林薏涵(リン・イーハン)と、日本の会社員モギさんこと茂木洋路という国際カップルの馴れ初めを描いたものになります。作品中でもSNSを通じたやり取りが重要な役割を果たしていますが、今はSNSによって出会いや恋愛も国の垣根を容易に越えられるようになってきました。国内で出会い系サイトやアプリなどで結ばれることが一般的になってきたのであれば、言葉の壁さえ越えられるならそれは国内に限る必要がありませんからね。この話の場合には日本語を勉強しているということでしたが、今なら最初は機械翻訳でもなんとかなってしまうでしょう。

ストーリー的にはそれほどドラマティックな展開があるというわけではないのですが、本作では何しろリンちゃんが可愛いのです。演じているのは簡嫚書(ジエン・マンシュー)という台湾の女優さんですが、その彼女自身の大きな目とくるくる変わる表情の魅力もさることながら、どことなく素朴な感じと、中国語独特な台詞まわしが容姿とギャップがあっていいのではないかと思います。彼女のほかはモギさんの父親役として蛭子能収が出演しているものの、それ以外は日本の有名俳優は出演していませんが、そんなことは作品の出来にはまったく影響ないようです。むしろ作品にその俳優の色が付いてしまわない分良かったかもしれません。

撮影は台湾と日本の様々な有名観光地で行われていて、日本人にとっても台湾人にとっても互いに訪れたくなるような映像になっているのではないでしょうか。私も何年も前から台湾には行ってみたいと思っていながら未だ叶っていないので、ぜひとも近いうちに訪問したいという気持ちがますます高まりました。リンちゃんのような女の子との出会いを期待しているわけではありませんが。

Vice

良い伴侶を持つことが重要。
🦅

昨日「何か観るべき映画はなかったかな」と映画館の上映スケジュールを見てみたところ、どこかで聞いたような気がしてちょっと引っかかったのが「バイス」だったのですが、開演時刻が7時からとちょうど良かったので、あまり深く考えずに観てみることにしました。今になってみると、もしよく考えていたら観なかったのではないかと思えるので、結果的には良かったのではないでしょうか。

この作品はアメリカの第46代副大統領(Vice President)であるDick Cheneyの伝記映画とされていますが、Cheneyを称えるようなものではなく、やや批判的なスタンスでコメディ的に、一部茶化すような感じで描いているものです。したがって、政治家の伝記だからといって退屈なものではなく楽しんで観ることができましたし、世界一の超大国の名目ナンバー2、実質的にはナンバー1であったかもしれない男の姿をドラマティックに描いているので、そういう面でも飽きずに観ることができました。

本作は「本年度アカデミー賞受賞」と大きく謳っているようですが、受賞したのは「メイクアップ&ヘアスタイリング賞」のようです。確かに実在の超大物らを演じている各俳優は本物の姿を彷彿とさせるものになっていましたが、特にCheneyを演じたChristian Baleは驚異的です。そういえば私がこの映画のことを知ったのはこのBaleの役作りのための変身をニュース記事で見たからでした。Baleはもともと「マシニスト」で30kg近くも減量したり、体を張った役作りで以前から知られていますが、本作でも20kg近く増量したということででっぷりしたお腹と禿げ上がった頭となっていて、貫禄十分のCheneyの姿そのままとなっていました。こんなに激しく増量や減量を繰り返して内臓に大きな負担がかかっているのではないかと他人事ながら心配してしまうほどですが、本当に大丈夫なのでしょうか。

師であるDonald RumsfeldSteve Carell、Cheneyの妻LynneAmy Adamsがそれぞれ演じていて、彼らも実にそれらしい演技なのはさすがなのですが、このLynneの凄腕ぶりが私には印象的でした。Cheneyがここまでの人物に成り上がったのはLynneの力があったからこそ、しかしLynne一人の力ではどうすることもできず、LynneにとってもCheneyは必要だった、ということこそが私がこの作品から学んだことでした。作品の趣旨はそういうことではなかったかもしれませんが…

ちなみに本作の上映時間は132分あります。エンドロールが流れたときに「もう終わり?」と思ったら、きっとそれはまだ終わりではありません。

Green Book

ひねりはないけれどいい話。
🧳

今月の映画の日、3月1日は金曜日で仕事帰りに観に行くことができてとても嬉しいのですが、直前に発表された2019年米国アカデミー賞で作品賞と助演男優賞、脚本賞の3部門を受賞した「グリーンブック」の公開日でもあり、この作品はもともと観たかったということもあり、迷うことなく予約を入れて観てきました。さすがにアカデミー賞の効果もあって、いつもは映画の日でもガラガラの金曜日もなかなかの賑わいでした。

この作品は、ニューヨークのナイトクラブCopacabanaで働いていたイタリア移民のTony Lipと、アメリカの黒人ピアニストDon Shirleyという実在した2人の人物の間に、アメリカ南東部、ディープサウスを巡るツアーを通じて人種を越えた友情が築かれる過程を描いた物語となっています。舞台となっている1962年当時のアメリカはまだ黒人差別も根強く、Tony自身も当初は差別主義者であり、またディープサウスはとくに差別の厳しかったところで、数々の差別的出来事が起こりますが、それらを通じてTonyの考え方も変化していくというわけです。

主演は「ロード・オブ・ザ・リング」のAragornを演じていたViggo MortensenがTonyを演じ、Mahershala Aliが演じるDonは助演ということになっているようです。Viggoはこの映画で大食漢のTonyを演じるために体重を20kg程も増やしたとのことで、立派な太鼓腹を見せています。一方でMahershalaはこの役で「ムーンライト (映画)」に続いて2度目のアカデミー助演男優賞を受賞しているわけですが、つい先日観た「アリータ: バトル・エンジェル」でも重要な役どころを演じており、今が旬の俳優ということになるのでしょうか。

タイトルとなっている「グリーンブック」は当時のアメリカで黒人が宿泊できるホテル、食事できるレストランなどを紹介したガイドブックのことで、創刊したVictor Hugo Greenの名前に因んでいますが、それに合わせて表紙が緑色になっているのはシャレでしょう。しかし、こういうものの存在自体が現代では考えられないことですし、アメリカにとっては恥ずべきことですね。かといって日本は問題ないのかというとそんな事は言えず、むしろ表立っていないだけに質が悪いのではないでしょうか。