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Spider-Man: Far From Home

なにか違和感を覚えたら注意しましょう。

ハリウッド映画の多くは字幕や吹き替えに時間がかかるためなのか、アメリカでの公開から数ヶ月以上遅れて日本での公開となる場合が多いものですが、これは仕方のないことなのでしょう。しかし、時折配給会社の戦略によって日本の方が早くなる場合もあり、今回観た「スパイダーマン: ファー・フロム・ホーム」もこの金曜日、6月28日に日本では公開されましたが、アメリカでは独立記念日に合わせて来週7月2日の公開予定となっているようです。ちょっとでも早いとなんだか得をした気分になりますね。

この作品は一昨年に公開された「スパイダーマン: ホームカミング」の続編となる、Tom Hollandが主役Peter Parker、ヒロインはZendayaが演じるMichelle “MJ” Jonesというシリーズの作品です。このシリーズではPeterらの高校生時代が描かれていますが、本作では彼らが学校の旅行でヨーロッパを回っている間に事件に巻き込まれるというものになっています。

いかにTom Hollandが若々しいとはいえ彼もすでに23歳になっていますので、高校生役というのはちょっと無理があるのではないかという気もしてしまいますが、大して違和感がないというのも不思議なものです。Zendayaも22歳、親友Ned役のJacob Batalonも23歳ながら彼らもまったく高校生らしかったので、なにかそれらしく見えるような加工がされているのでしょうか。本作では青春らしさが大事な要素になっていますので、ここは重要なところだと思います。

しかし、そんな細かいことは置いておいても、私には先日の「アベンジャーズ/エンドゲーム」よりも本作の方がずっと楽しめました。アベンジャーズは必要以上に重いような気がしてしまい、観ていて疲れるところがありますが、スパイダーマンは単純に娯楽として楽しむことができます。スーパーヒーローではなく、あくまでFriendly Neighborhood Spider-Man、親愛なる隣人と謳っているだけのことはあり、親しみやすさがあります。

一つ驚いたのは冒頭のMarvelロゴの音楽です。なぜこの曲が…と思ってしまいましたが、それは観てのお楽しみ…と言うほどでもありませんか。それよりも、本作も最後にワンシーンあります。Marvelのお約束ですが、これは中でも重要なシーンとなっているのではないかと思います。さすがに本編が始まる前にその旨説明があったのでエンドロールで席を立ってしまう人はほとんどいませんでしたが、こうまでしてエンドロールというのは見てもらいたいものなのでしょうか。

Dark Phoenix

リブートってちょっと便利。

Marvel Comicsを原作とするスーパーヒーローものの映画作品は大変な人気を博していますが、Spider-manやDeadpoolという例外はあるものの基本的にそれはAvengersに参加しているキャラクター、言い換えればWalt Disneyが配給するシリーズのみで、20th Century Foxの配給によるX-MenやFantastic Fourはあまり芳しくないようです。しかし、X-MenをFantastic Fourと一緒にするなという話はあるかもしれませんが、伝統ある20th Century Foxも今年Disneyによる買収が完了し傘下に入ったことで、今後テコ入れがあるかもしれません。

そんな映画「X-Men」シリーズの最新作にして独立したFoxによる最後の作品である「X-MEN: ダーク・フェニックス」が公開されたので、日本での公開初日に早速観に行ってきました。実は私自身はAvengersよりもX-Menの方がちょっとシリアスな感じがあって好きなのです。

本作の主役はサイコキネシスとテレパシーの能力を持つJean Greyで、本作はJeanの物語となっています。幼い頃に自分の能力の爆発により両親を失い、Charles Xavierの「恵まれし子らの学園」に引き取られて育てられたJeanは大きくなってX-Menの一員となりますが、そのミッションとしてスペースシャトルEndeavourのクルーを救出する際、太陽フレアのようなエネルギーを受け…というあたりにしておきましょうか。

Jeanを演じているのは前作「X-MEN: アポカリプス」に続いてSophie Turnerです。もともとFamke Janssenが演じていたリブート前のシリーズからJeanの能力は他のX-Menメンバーに比べても強すぎるのではないかと思っていたのですが、さらに強力になった本作での人類のレベルを超越した存在感を感じさせる演技だったのではないかと思います。なお、WIREDは「『X-MEN:ダーク・フェニックス』の完成度はともかく、手の演技は注目に値する」というレビューを掲載していますが、確かに彼女の優雅な手の動きは印象的かもしれません。あとはおなじみのメンバーがおなじみの通り、という感じでしょうか。

まあそれほど特筆すべきことはなく、お約束どおりということですが、それは期待を裏切ることもないということです。シリーズのファンにとっては自分の望むとおりにストーリーが進むということに近いので、それ以上のものを望まなければ十分に楽しめるのではないでしょうか。ただ、ファンでない人にとっては面白みがないということになってしまうのも仕方のないことなのかもしれません。私はどうだったかというと、これで終わってしまうなんて寂しい、続きを作ってほしい、ということになります。

Captain Marvel

最初はなんて名前かと思いましたが。

Marvel Comicsの多くの作品の原作を手がけ、現在の映画界におけるMarvelの存在感の最大の功労者であるStan Leeが亡くなったのは昨年11月のことです。彼は目立ちたがり屋だったそうで、多くの映画にカメオ出演していますが、地下鉄の乗客として出演した「キャプテン・マーベル」がその最後の作品となりました。日本では今週末公開となったこの作品を私も早速観てきましたが、冒頭のMarvelロゴがStanの生前の出演シーンで構成する特別版になっているなど、本作は彼に捧げるものとされています。

原作コミックとも設定が異なっているようなのですが、主人公Captain MarvelことVersの生い立ちというか、成り立ちは予想とは異なっていました。予告で描かれている範囲で言えば、ハラという星に住む、高度に発達した科学技術を持つクリー人の特殊部隊Star Forceの隊員であるVersは記憶を失っていて、いつも不思議な夢を見る、という妙に人間臭いキャラクターです。このVersがどうして地球に来ることになるのかがわからなかったのですが、作品を観てその謎が解けました。

Versを演じるBrie Larsonは戦士らしい演技を見せるために役作りとして9ヶ月にも及ぶトレーニングで筋肉を付け撮影に臨んだそうです。その甲斐あって作中ではキレのあるアクションを見せていますが、昨今はスタントダブルとデジタル技術で済ませてしまう場合が多い中、こうして本物にこだわる姿勢は非常に好感が持てるものです。

本作の舞台は1995年となっているため、BGMには90年代の音楽がたくさん使われていたり、Versが地球に来るときに落ちるのがかつて全米に存在したビデオレンタルチェーンBlockbusterだったり、Versが地球で着ているのが当時流行ったNine Inch NailsのロゴのTシャツだったりと小ネタが散りばめられていて、往年を知る私には楽しいところでした。しかし、ミシガンに住んでいる時に近所にあったBlockbusterはすでに潰れたあとの空き家でしたし、私の子どもたちには何とも感じられないのでしょう。

本作には後にS.H.I.E.L.D.の長官となるNick Furyやその右腕Phil Coulsonがその若かりし頃の姿を見せており、これはSamuel L. JacksonとClark Greggが演じたものをデジタル処理によって若返らせたものだということですが、全く違和感はなく若々しさの感じられるものになっています。また、Furyがなぜ左目を失うことになったのかも本作を見ればわかりますが、それはコメントを避けておきます。

ということで、原作を読んでCaptain Marvelを知っていたという人はよほどのマニアでしょうから私が何か言うまでもないと思いますが、そうでないライトなアベンジャーズファンの人は次回作「エンドゲーム」に登場するCaptain Marvelを知っておくためにも観ておくべきでしょう。Google画像検索で見るとむっつりした表情の写真ばかりでどうなのかと思ってしまいましたが、本編では魅力的な笑顔も見ることができます。本作もできれば予備知識は持たないほうが楽しめるでしょう。