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Avengers: Endgame

マーベル・オールスターズ。

今洋画で一番動員が見込めるのはMarvelの作品群なのではないかと思いますが、その中でもスーパーヒーローが沢山登場してお得感が強いのが「アベンジャーズ」シリーズです。その集大成とも言える「アベンジャーズ/エンドゲーム」が今週末から公開されたので初日の昨日、ゴールデンウィーク前の仕事を終わらせてから早速観に行ってきたのですが、初日とは言え平日ではかつてないほどの客入りとなっていて、その人気ぶりは驚くほどでした。

上映時間が181分と長い作品ですが、それでも内容は非常に濃く、次から次へと物語が展開します。良く言えばかなり充実した内容ですが、逆に詰め込み過ぎとも言えます。また、特に前作を観ていないとどういう状況なのかわからないと思いますが、これまでのMarvel Cinematic Universeの各作品とのつながりも強く、過去の作品を知っていればクスッとするところが、知らないと訳が分からず面白くもなんともないということにもなってしまいそうです。まあいきなりこの作品だけ観るという人はそういないのでしょうが、初デートで観るには向かないのではないでしょうか。

非常に沢山のスーパーヒーローが登場するので誰が主人公なのかは難しいところですが、中心的なのはIron ManとCaptain Americaでしょうか。しかし、Black WidowことNatasha Romanoffは自身を主人公とする映画があるわけでもなく、それほどのスーパーパワーがあるわけでもないのにやたら存在感があるのは演じているのがScarlett Johanssonだからでしょうか。また今回はCaptain MarvelことCarol Danversも登場しますが、あれだけの強大な力を持っている割にはThanosに苦戦するのも不思議ですし、もともと地球人ならそんなに距離を置かないで助けてあげてもいいのにと思ってしまいました。

しかし、先にも書いたとおりちょっと詰め込みすぎですね。アベンジャーズのファンであれば観ておかなければならない作品でしょうが、そうでない人や前作を観なかった人は観なくてもいい、というのは言いすぎでしょうか。これでもかというほどCGを使った戦闘シーンはキャラクターが多すぎて目で追うのも大変です。私はMarvelの作品群は好きですが、どうもアベンジャーズはそれほどでもないのかも知れません。

なお、Marvel作品には付きもののエンドロール後のおまけシーンは本作にはありません。やはり観ていた人にとってはお約束だったのかほとんどの人が着席したまま待っていたのですが、かなり長いクレジット表示が終わると何もなく明るくなってしまいました。おそらくこれはこの作品がシリーズの一区切りだということなのでしょう。これだけの人気シリーズにこのまま続編がないということは考えにくいですが、直接の続編ではなくリブートになるということなのかもしれません。

Captain Marvel

最初はなんて名前かと思いましたが。

Marvel Comicsの多くの作品の原作を手がけ、現在の映画界におけるMarvelの存在感の最大の功労者であるStan Leeが亡くなったのは昨年11月のことです。彼は目立ちたがり屋だったそうで、多くの映画にカメオ出演していますが、地下鉄の乗客として出演した「キャプテン・マーベル」がその最後の作品となりました。日本では今週末公開となったこの作品を私も早速観てきましたが、冒頭のMarvelロゴがStanの生前の出演シーンで構成する特別版になっているなど、本作は彼に捧げるものとされています。

原作コミックとも設定が異なっているようなのですが、主人公Captain MarvelことVersの生い立ちというか、成り立ちは予想とは異なっていました。予告で描かれている範囲で言えば、ハラという星に住む、高度に発達した科学技術を持つクリー人の特殊部隊Star Forceの隊員であるVersは記憶を失っていて、いつも不思議な夢を見る、という妙に人間臭いキャラクターです。このVersがどうして地球に来ることになるのかがわからなかったのですが、作品を観てその謎が解けました。

Versを演じるBrie Larsonは戦士らしい演技を見せるために役作りとして9ヶ月にも及ぶトレーニングで筋肉を付け撮影に臨んだそうです。その甲斐あって作中ではキレのあるアクションを見せていますが、昨今はスタントダブルとデジタル技術で済ませてしまう場合が多い中、こうして本物にこだわる姿勢は非常に好感が持てるものです。

本作の舞台は1995年となっているため、BGMには90年代の音楽がたくさん使われていたり、Versが地球に来るときに落ちるのがかつて全米に存在したビデオレンタルチェーンBlockbusterだったり、Versが地球で着ているのが当時流行ったNine Inch NailsのロゴのTシャツだったりと小ネタが散りばめられていて、往年を知る私には楽しいところでした。しかし、ミシガンに住んでいる時に近所にあったBlockbusterはすでに潰れたあとの空き家でしたし、私の子どもたちには何とも感じられないのでしょう。

本作には後にS.H.I.E.L.D.の長官となるNick Furyやその右腕Phil Coulsonがその若かりし頃の姿を見せており、これはSamuel L. JacksonとClark Greggが演じたものをデジタル処理によって若返らせたものだということですが、全く違和感はなく若々しさの感じられるものになっています。また、Furyがなぜ左目を失うことになったのかも本作を見ればわかりますが、それはコメントを避けておきます。

ということで、原作を読んでCaptain Marvelを知っていたという人はよほどのマニアでしょうから私が何か言うまでもないと思いますが、そうでないライトなアベンジャーズファンの人は次回作「エンドゲーム」に登場するCaptain Marvelを知っておくためにも観ておくべきでしょう。Google画像検索で見るとむっつりした表情の写真ばかりでどうなのかと思ってしまいましたが、本編では魅力的な笑顔も見ることができます。本作もできれば予備知識は持たないほうが楽しめるでしょう。

Spider-Man: Into the Spider-Verse

私はKirsten DunstのMJが好きなんですが。

この3月は個人的に観たい映画ラッシュで大変なのですが、2019年のアカデミー賞で長編アニメ映画賞を受賞した「スパイダーマン: スパイダーバース」もそのうちの一つだったので早速観てきました。私はセリフも役者の演技の重要な部分だと思っているの基本的に洋画は字幕版で観ることにしているのですが、地元の映画館では本作は残念ながら日本語吹き替え版のみの公開となっていました。まあ本作はアニメだからもともと吹き替えというか声を当てているだけではあるのですが、オリジナルではHailee Steinfeld, Mahershala Ali, Nicolas Cage, Liev Shreiber, Chris Pineといったハリウッド俳優の錚々たる面々が揃っているので、せっかくなら彼らの声で観たいと思っていたのでした。しかし、実際に観始めてしまえばそんなことはそれほど気になることもなく、逆に字幕に気を散らされずに没入できたのではないかと思います。ただし、日本語吹き替え版では映像内の文字も一部日本語になってしまうのは残念なところです。

スパイダーマンといえばPeter Parkerですが、本作の主人公はMiles Moralesというアフリカ系アメリカ人の少年です。実際にはPeter Parkerも登場しているのですが、スパイダーマンに限らずMarvelの作品群にはいくつもの平行世界が存在して、そのうちの一つでスパイダーマンとして活躍しているのがMilesで、本作はまさにその平行世界をテーマに扱ったものとなっています。したがって、Peter B. ParkerとしてMary Jane “MJ” Watsonと結婚したスパイダーマンや、スパイダー・ウーマンとして正義のために戦うGwen Stacyなども登場して、なかなか賑やかです。

本作はアニメーションではありますが、リアルなCGをあえてトレースしてアニメらしくするというような手法が取られているらしく、背景や自動車などは非常にリアルに描かれている一方、アニメらしいキャラクターともとても良く馴染んでいます。また、人物の周りをゆっくり回り込むようなカメラワークも用いられていますが、これは手書きのアニメでは非常に手間がかかるはずのもので、CGならではということになるのではないでしょうか。そんなカメラワークや独特の色使いなどによって、本作は映像的に非常にカッコイイ作品になっています。

また音楽もヒップホップ系のカッコイイものになっていて、サントラ盤もしばらくヒットしていたようですが、それも含めて本作はハイティーンから20代以上の大人をターゲットにしているものと思われます。そして、実際に大人が観ても満足できる仕上がりの作品になっているのではないでしょうか。アニメと言えば子供のもの、という時代はもう終わったと思いますが、私自身も期待していた以上の満足感があり、さすがアカデミー賞を受賞しただけのことはあると思いました。

スパイダーマン:スパイダーバース (オリジナル・サウンドトラック)

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