アニメ「SHIROBAKO」といえばムサニこと武蔵野アニメーションの新人スタッフとなった主人公の宮森あおいが、アニメーション制作に携わりながら様々な困難を乗り越えながら成長していく、という人気作品でした。これは2014年秋から2015年春の2クール作品だったのですが、その放送終了から5年たった2020年2月に公開された映画「劇場版 SHIROBAKO」がdアニメストアで配信されていたので観てみました。

物語中でも現実と同様に5年経った2020年が舞台となっているのですが、その間にムサニは契約上のトラブル「タイマス事変」から仕事を減らしてスタッフも離散し、冴えないスタジオになってしまっていました。そんな中でも宮森は会社に残って奮闘していると、二代目社長からオリジナル劇場アニメの企画を提示されるのですが、タイトル以外は何も決まっていない状態で10ヶ月後に上映という超過酷なスケジュールながらそれを引き受け、再び様々な苦難に遭いながらそれらを乗り越えて…という話です。

アニメで描くアニメ制作の舞台裏、というこのシリーズですが、これがもし実写だったらかなりギスギスしていたりどんよりしていたりして、とても見ていられるものではないのでしょうね。本作では女性キャラクターは皆可愛く描かれていますし、男性も柔らかい雰囲気で描かれている人が多いように思います。ちなみに私は矢野さんが好きです。

本編は一部ミュージカル仕立てになっていたり、ミムジーとロロという人形たちが心情を代弁したりと演出もあり、テンポ良く楽しく見せてくれているように思いました。上映時間は119分とアニメ作品としては比較的長めですが、全編通して楽しむことができました。公開されたのがコロナ禍初期となってしまったため興行的にはかなり厳しかったのではないかと思いますが、良作なので配信などでなんとか取り返してほしいものです。