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Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald

純粋な娯楽作品だと思えば…

「ハリー・ポッター」シリーズの世界観を拡張して成功を収めた「ファンタスティック・ビースト」シリーズの第2作「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」が、前作「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」からちょうど2年ぶりに公開されました。スタジオも満を持した大作ということでテレビなどでの露出も力が入っていますが、前作が期待以上に楽しめたので今回も大いに期待して観に行きました。

主役は引き続きEddie Redmayne演じるNewt Scamanderです。Eddieはとても素晴らしい俳優だと思うのですが、もう3年近くも前に観た「HICK ルリ13歳の旅」で見せた狂気が本当に恐ろしくて、未だにその影がちらついてしまいます。役のイメージが付いてしまうことを嫌ってヒット作の続編に出演したがらない俳優もいるということですが、それはこういうこともあってなのかもしれません。また本作では若き頃のAlbus Dumbledoreが登場しますが、これをJude Lawがダンディーに演じており、敵役は黒い魔法使いと呼ばれるGellert Grindelwaldで、これを演じるのはJohnny Deppです。

BuzzFeedでは酷評(日本語訳)していますが、そういうメディアなのだとしてもそこまでボロクソに言わなくてもいいのではないかと思うものの、Rotten TomatoesのTomatometerも40%と評論家の評価は芳しくないようです。BuzzFeedでその大きな原因としているのがGrindelwaldのキャスティングですが、私はそこまで問題があるとは思いませんでした。確かに大げさでわざとらしい感じはありますが、それはJohnnyならではのものでもあると思うので、Johnnyを配置した時点で決まっていたことではないでしょうか。

しかし、私自身もこの作品を観て、面白かったかと聞かれるとなかなか微妙です。つまらなかったというわけではないのですが、ファンを喜ばせようというサービス精神が見えすぎて、それはBuzzFeedと同意見ということになります。その結果、抑揚がなくダラダラとした感じになってしまっているのではないでしょうか。全編に渡って盛り上がり続けるジェットコースタームービーというものもありますが、そこまで盛り上がるわけでもないのです。とはいえ、ハリー・ポッターシリーズのファンであればそこかしこに小ネタが仕込んであったりするので、それなりには楽しめるのではないでしょうか。

なおGrindelwaldといえばスイスのBerner Oberlandにある有名な観光地で私も子供の頃に行ったことがありますが、大変美しいところです。この地名と魔法使いの名前を重ねてしまう人はあまりいないと思いますが、風評被害のようなことがないといいのですが…まあ関係ありませんね。

The Nutcracker and the Four Realms

Mackenzieが可愛いだけで私の目的は果たされていますが…

この11月に入ってからのワタシ的期待作ラッシュの4作目となる映画はディズニー作品「くるみ割り人形と秘密の王国」です。いい年してディズニーのお姫様映画というのも何ですが、それにはちょっとした訳があります。と言っても全く大したことはないのですが、主人公のClaraを演じるMackenzie Foyです。

18歳になったばかりのMackenzieですが、ハリウッドデビューとなったのは私も好きで観ていたトワイライト・サーガの最終章で主人公BellaとEdwardの間に生まれるRenesmeeで、これを演じていたのは6年前の12歳のときということになります。原作でも非常に美しいということになっていたので、一体どんな子役が演じるのかと思っていたらMackenzieだったというわけで、実はそれ以来ちょっと気にしていたのですが、本作ではいよいよMackenzieが主演ということだったので見逃すわけには行かなかったということです。

しかし、Rotten TomatoesのTomatometerは34%、Audience Scoreも37%という有様なのでやめておけば良かったのかもしれませんが、腐ってもディズニーだからと思っていたのに本作にはちょっと失望しました。せっかくの主演作なので応援したいのですが、残念ながら完全な失敗作となってしまっているようで、興行収入だけでは製作費の回収も危うい状況のようです。何が一体ダメなのかと言うと、いろいろ中途半端で退屈な作品になってしまっているのです。脚本の問題なのでしょうか。

タイトルで分かる通りこの作品はチャイコフスキーの有名なバレエ作品「くるみ割り人形」をベースにしてはいますが、設定のごく一部を流用しているだけでストーリーは大きく異なるようです。ただ、劇中にバレエのシーンを取り込んだり、チャイコフスキーの音楽を取り入れたりしてかなり意識して関連を持たせようとしているような感じがありました。ただ、それもなんだか中途半端で徹底されていないのが残念なのです。

天下のディズニーの王道的作品でもこういう事があるのだなと意外でしたが、黒歴史として闇に葬られるようなことがないことを祈ります。

Ant-Man and the Wasp

質量保存の法則は…?

このブログは映画評論ブログというわけではないのですが、このところ映画の記事が続いてしまっています。観た映画は記録のため、自分が観たかどうかを忘れてしまったときに確認するためにも、本当はすべて記事にしておきたいのですが、さすがにAmazon Prime Videoで観たものまですべてとなると大変なので、これでも最近でもいくつか書いていないものがあります。しかし、やはり映画館で観た最新の映画については機を逸することなく書いておきたいので、ちょっと連続になってしまっていますがご容赦ください。

というわけで今週末公開の「アントマン&ワスプ」です。スーツの力で体のサイズを自由に変えられるAnt-Manが主人公の、前作「アントマン」の続編となる2作目ですが、設定としてはAnt-Manも参戦していた「シビル・ウォー」の数年後ということになっています。シビル・ウォーでCaptain America側に付いたことでFBIの監視下で自宅から出ることを許されない状態になっているところから始まります。スーパーヒーローを軟禁なんてできるものなのかという感じですが。

今作ではDr. Hank Pymの娘、Hope van Dyneもスーツを着てWaspとして活躍します。Hopeは前作でAnt-ManことScottに格闘技を教えていたりしたとおり、むしろAnt-ManよりもWaspの方が強いのですが、スーパーヒーローに必要なのは強さだけではないということでしょうか。一方敵役としてはGhostことAvaが登場しますが、あの不必要に不気味に見えるマスクは何なのでしょうか。あの必然性はよくわかりませんが、あえてそうしているのか、いずれにしても恐怖を感じさせるのに十分な造形です。

私がとても気に入ったのは、Scottの刑務所仲間で出所後の事業のパートナーである、Michael Peña演じるLuisです。彼が早口で「喋る」場面はかなり面白くて、ずっとそれを見ていたいという気にさえなってしまいました。このLuisがいることでこの作品のシリアスさはだいぶ抑えられているような気がしますが、このシリーズはあくまで楽しいコメディとして作っているようで、だからAnt-Manには合わないので「インフィニティ・ウォー」に登場させなかったという話もあるようです。

しかしそれにしても、他のMarvel作品に比べると本作はどうもこぢんまりしてしまっているのですよね。Ant-Manが小さくなるので行動半径が狭くなるということもあるのかどうかわかりませんが、サンフランシスコ・ベイエリアから外に出ていないというのは驚きです。代わりにサンフランシスコで実際に見た観光地がいろいろ見られるのは楽しかったのですが、スーパーヒーローものでなくても今どきの映画には珍しい局地的な作品ではないでしょうか。まあ、だからといって作品に対してネガティブに作用するものではありません。

最後にもう一つ私が気に入ったのはエンドロールです。非常に凝ったものになっていて、私はこういうのが大好きですが、たまにしか使えない手ですね。このシリーズの定番ということにしてしまえば問題ないのでしょうが、ひょっとして前作でも同じだったでしょうか。もう前作のことは全然覚えていないのですよね…