呆気ないくらい。
今回はいつもと趣向が異なりますが、先日の記事に書いたMacBook Pro 13″ 2010とAir 11″ 2011へのUbuntu Linuxのインストール手順と、遭遇したトラブルとその対策、その他の設定について参考にまとめておきます。
インストール手順
- UbuntuのISOイメージをUbuntuのダウンロードページからダウンロード
下記バージョンを使用しましたが、特に意味はありません。また、Airは結局あとで20.10にアップグレードしました。- MacBook Pro: 20.10 (Groovy Gorilla)
- MacBook Air: 20.04.2.0 LTS (Focal Fossa)
- balenaEtcherなどでUSBメモリーに書き込む
dd
コマンドなどでも書き込めますが、balenaEtcherではデバイスファイルを調べたりアンマウントしたりする煩わしさがなく簡単でした。また、balenaEtcherはWindows/Mac/Linuxで無償で使用できます。 - Optionキーを押しながらMacの電源を入れ、メニューが出たらUSBドライブを選択してブート
- インストーラーの指示に従ってインストール先を選択し、インストール中にアカウント情報を入力
- 再起動時にUSBドライブを抜いて終了
解決したトラブルや課題と対策
- MoklistRTのエラー
起動直後に下記のようなエラーが表示される。
plaintext
Failed to Set MokListRT: Invalid Parameter
Could not create mokListRT: Invalid Parameter
Importing MOK states has failed: import_mok_state() failed: Invalid Parameter
Continuing boot since secure mode is disabled.
起動に余計な時間がかかるくらいで実害はなさそうですが、以下のようにファイルを置き換えてからリブートすることで解消します。
shell
$ sudo su -
$ cd /boot/efi/EFI/ubuntu
$ cp grubx64.efi shimx64.efi
なお、アップグレードなどすると再発するので、その都度設定が必要のようです。
参考記事: レオ、パーソナル!2nd: Ubuntu 20.04 Failed to Set MokListRT:エラーの対処法 - Wi-Fiが動かない(MacBook Proのみ)
MacBook Airではインストール時からWi-Fiが問題なく動作していましたが、MacBook Proでは下記処置が必要でした。
shell
$ sudo apt-get install --reinstall bcmwl-kernel-source
なお、MacBook ProはEthernetポートがあり正常に認識されていたのでそれを使用して進められましたが、MacBook AirにはWi-FiとUSBしかないのでもしWi-Fiが使えなかったらかなり面倒でした。
参考記事: StackExchange: Wifi stopped working after kernel update (Ubuntu 14.04 on MacBook Air 2014) - ファンが動作しない
最初気づかずそのまま使っていて、ちょっと重い処理をするとフリーズするのでなぜかと思ったらファンが動いておらず、CPUの過熱保護がかかっていたようです。熱暴走したわけではなく、マウスカーソルは動いていましたし、しばらくして温度が下がると復旧しました。
下記処置でmacfanctldをインストールするとファンが動作するようになります。
shell
$ sudo apt-get install macfanctld
参考記事: Technical Note: macintoshにいれたLinuxでの空冷ファンコントロール
その他の設定
- CapsをCtrlに変更
普段デスクトップPCではHHKBを使用しているため[A]
の左側は[Ctrl]
であってほしいので、ファイル/etc/default/keyboard
に書き設定を加えて対応しました。
plaintext
XKBOPTIONS="ctrl:nocaps"
上記設定では[Caps]
キーも[Ctrl]
キーも[Ctrl]
の動作になりますが、入れ替えて[Caps]
の機能も使用したい場合は下記設定とするようです。
plaintext
XKBOPTIONS="ctrl:swapcaps"
参考記事: LINUX.JUST4FUN.BIZ: Caps-LockキーをCtrlキーにする方法 - 日本語入力
日本語入力はGoogle日本語入力のオープンソース版であるmozcを下記コマンドでインストールし、SettingsのInput Sourcesで”Japanese (Mozc)”の設定を追加します。
shell
$ sudo apt-get install ibus-mozc
これでWindowsやMacとほぼ同じ感覚で快適に日本語が入力できるようになります。
参考記事: Narrow Escape: Ubuntu 18.04: iBus + Mozcで日本語入力する - Google Drive
DropBoxはデスクトップアプリをインストールすればWindowsやMacと同じ使い勝手で利用することができますが、Google Driveは正規サポートされていないのでドライブを自動的に同期するためには下記設定が必要です。- google-drive-ocamlfuse をインストールする
shell
$ sudo add-apt-repository ppa:alessandro-strada/ppa
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install google-drive-ocamlfuse - ウェブブラウザが開くので、認証設定する
shell
$ google-drive-ocamlfuse - マウント
shell
$ google-drive-ocamlfuse ~/GoogleDrive
ただし、オンラインアカウントで設定すればネットワークドライブとしては使用できるので、それで問題ない場合には上記設定は不要でしょう。
参考記事: 非IT企業に勤める中年サラリーマンのIT日記: Ubuntu20.04でGoogleドライブを同期させたので手順を書く
- google-drive-ocamlfuse をインストールする
- リモートデスクトップ(RDP)
下記コマンドでxrdpをインストールすることで、Windowsと同様にリモートデスクトップで遠隔操作が可能となります。
shell
$ sudo apt-get install xrdp
$ sudo service xrdp restart
macOSからの接続にはMicrosoft Remote Desktopを使うと快適に使用できます。
参考記事: Tsukurel: Raspberry Pi(ラズパイ)にリモートから接続する
未解決の問題
- MacBook Airで21.04が使用できない
4月22日にリリースされたばかりの21.04をインストールしてみましたが、インストール自体は正常に完了したものの、再起動後に画面が真っ暗になったままUbuntuロゴも表示されず使用できなかったため、20.04に変更してインストールしました。もしかすると次項のディスプレイドライバーの問題かもしれません。 - Nvidiaドライバーが使用できない
インストール時にthird-party softwareを使用するかどうかの設定がありますが、ここにチェックを入れてインストールすると再起動後に画面が真っ暗になって表示されなくなりました。解決策はあるようですが、現状でも困っていないので未実施です。
参考記事: Ask Ubuntu: Proprietary NVidia drivers with EFI on Mac, to prevent overheating - スリープから復帰できない(MacBook Proのみ)
MacBook Airの方ではスリープさせても問題なく復帰できるのですが、MacBook Proの方では画面を閉じてスリープした後、画面を開くとスリープのインジケーターは消灯するものの画面に何も表示されず、キー入力も受け付けないように見えます。とりあえずAirのほうが問題ないので、それ以上はあまり調査しておらず、解決策は見つかっていません。 - mozcが直接入力モードで起動する
mozcの入力モードの初期状態が直接入力モードになっており、USキーボードだとキー入力でかなモードに移行することができないようです。いちいちマウス入力で切り替えるのが面倒なのですが、対策するためにはソースを変更してビルドする必要あるようで、起動後最初だけの問題なのでとりあえず諦めています。
参考記事: Github issues: Is there a way to set hiragana as default?
以上が現在までの情報になりますが、ここまでのところでとりあえず快適に使えるようになりました。追加情報があればまた随時記事にしていきたいと思います。