これからますます楽しみ。

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Elon Muskによる買収がとうとう成立してからというもの、Twitterの動きは迷走としか言えない状態になっています。最たるものが先日突然何の発表もなしに始まったサードパーティアプリの締め出しで、当初はなにかのトラブルかと思われていたものが、実は意図的なものではないかと言われてからようやく公式に発表されました。

これまで認められてきたサードパーティのAPI利用が突然ルール違反とされるというのは横暴に感じられますが、これもかなり大量に解雇したことや、能力のある人が退職してしまったりで穏便に済ませる気がなくなったということなのでしょうか。確かに広告を表示しないサードパーティアプリはTwitterにとっては害悪のようにも感じられますが、いくらかの利用料は徴収していたようですし、アプリのユーザーは比較的積極的に利用していたでしょうから、Twitterを活性化させる大きな役割を担っていたのではないかとも思えます。

私が長らく愛用してきたTapbotsTweetbotはTwitterアプリの中では最も成功していたもののひとつですが、これも例外ではなく、というより真っ先に標的にされてアクセスを遮断されてしまいました。このアプリは操作のしやすさや美しく見やすいレイアウト、軽快で滑らかな動作など非常に使い心地が良く、私にとってはむしろTweetbotがあったからこそTwitterから離れなかったと言っても過言ではないと思います。

現在はTwitterは基本的にウェブブラウザと公式アプリ以外ではアクセスできなくなっているのですが、これらの使い勝手が悪くなければ私もそれほど文句はありません。しかし実際、Tweetbotに慣れてきた身からすると様々な点が不満に感じられて、くまなくツイートを見ようというような気にはとてもなれません。

ということでTwitterを離れようとした人たちが次にどこへ向かっているのかというと、その最有力なのは今から5年以上前の2017年に一度ブームを迎えていたMastodonのようです。分散型SNSといわれるMastodonはブームが過ぎてからもしっかり開発が進められていて、私もそれほど積極的ではないものの利用し続けていたのですが、それがまた注目されるかもしれない、というところに来ています。その立役者の一人となるであろうと思われるのがTapbotsが開発の軸足を移した先のMastodonクライアントアプリであるIvoryです。太古の象であるマストドンにちなんで象牙という命名ですね。

つい先日公開されたIvoryを私もすぐにダウンロードして、投稿機能が制限された試用版の状態で使ってみたところ、Tweetbotと同様の使い心地の良さで非常に快適でした。ライセンスはサブスクリプション形式となっていますが、月額$1.99、年間$14.99という金額は市場の小ささを考えるとやむを得ないところでしょうが、少々高いと言わざるを得ないので私も若干躊躇がありました。しかし、やはりこの快適さには抗えず、考えてみればカフェに1, 2回行くくらいの金額だと思えばまあいいだろうと思い、支援の気持ちも込めて支払いに踏み切りました。

Mastodonのアプリは他にも公式アプリや最近公開されたIce Cubesなどオープンソースでかなりできの良いものもあり、また有償無償のアプリが山ほどあるのですが、それらと比べても一歩ないし数歩先を行っているように感じられます。Tweetbotの10年間の経験を生かして開発した、と言っている通り一日の長があるということのようです。

ちなみにわたしは5年前のブームのときにTapbotsのサポートアカウントに「Mastodonクライアントを開発する計画はないのか」と聞いたことがあり、そのときは「ない」とそっけない返事だったのですが、それは関係ないにしても結局こうした形に落ち着いたというのは素直に嬉しく感じます。現時点ではまだまだ未完成で、実装されていない機能がたくさんありますが、これからの成長を一緒に楽しんでいきたいと思っています。