Gigazineの「プログラミング言語のBASICが60周年を迎える」という記事で知ったことですが、1964年にダートマス大学プログラミング言語BASICが開発されてから昨日でちょうど60年となったそうです。私もまだ60歳にはなっていませんから、私よりもちょっと年上ということになります。

今となってはBASICを新しく学ぶなんていう人はいないだろうと思いますが、今から40年ほど前、1980年代前半の第一次パソコンブームの主役であったPCのうち、シャープの製品を除くほとんどの機種は、電源を入れるとBASICインタプリタが起動するようになっていて、趣味としてそれらを使っていた多くの人はまずBASICからプログラミング言語を学習していたと思います。シャープのPCでもBASICインタプリタをROMに持っていなかっただけで、付属のカセットテープなどからRAMにインタプリタをロードして使われていたはずです。

私が貯めていたお年玉をはたいて購入した初めてのPC、松下通信工業JR-200もわずか16KBしかないROMにBASICインタプリタが収められていて、市販のプログラムなどほとんど無いし、インターネットもない時代だったので、自分で作ったプログラムを動かして遊ぶというのが主な使い方であり、今の私があるのもこのマシンを購入したからだと言えると思います。

またこの頃のことは「マイコンBASICマガジン」、通称「ベーマガ」という雑誌を抜きに語ることはできません。読者から投稿された主にゲームのプログラムリストを誌面に掲載していたもので、読者はそれを見ながら自分のPCに入力(写経)して動かしたり、思い思いに改造したりして楽しむというものでしたが、この雑誌で育ったというプログラマーは少なくないでしょう。私もその一人ですが、見たまま入力したつもりでも間違いがあって、それを取り除いたり、改良したりしているうちに基本的なスキルを身につけることができたと思います。

まあBASICというのはその名前の通りあくまで初学者向けに作られた言語であって、機能も性能も限られたものでしたが、手続き型言語の教育用としては一定の成果を上げたと言っていいのではないでしょうか。今はPythonにその役目を譲っているのかもしれませんが、PythonはPythonで長所短所ありますからね。