カブついつい本音が…

今朝、朝食を摂りながら朝日新聞を読んでいると、1面の下の方に 経産次官『デイトレーダーはバカで無責任』 講演で発言という記事が載っていました。曰く、経済産業省の北畑隆生事務次官が講演会でデイトレーダーについて

経営にまったく関心がない。本当は競輪場か競馬場に行っていた人が、パソコンを使って証券市場に来た。最も堕落した株主の典型だ。バカで浮気で無責任というやつですから、会社の重要な議決権を与える必要はない

と発言したそうで、これについて陳謝したとのことです。普段なら官僚には批判的な私ですが、この発言についてはつい本音が出てしまっただけなのだろうと同情してあげたくなってしまいます。

先日、スロット店の前に長蛇の列ができているのを見て長男が「パチンコの何が面白いのかわからない」というので説明しているうちに「パチンコで生活している人もいる」という話になり、「どんな仕事でもいいから人の役に立つ仕事に就いてほしい」と言ったのですが、極端なことを言えばデイトレーダーというのはパチプロと同じで全く社会の役に立っていないのではないのでしょうか。労働の対価として収入を得ているのではないという点で、両者は共通しているのではないかと思います。

またもちろん、証券会社に所属するトレーダーの方々は投資家の資産を増やすということで立派に役に立っているのかもしれませんが、企業の行なう業務としては同様に褒められるものではないとも思っています。結局その利益は他の投資家の損失の上に成り立っているわけで、「自分達さえ儲かればいいのか」ということですね。皆が遊びのつもりでやっている競馬や競輪ならいいのですが、それを誇らしげに職業や業務というのはどうなのでしょうか。

遊びでやっているうちはパチンコや競馬が好きだという人についてとやかく言うつもりはありません。ただ、私自身は「胴元が儲かる以上ゼロサムゲーム以上にはなり得ない」と思って、自分だけが得をするという状況が想像できないのでギャンブルには手を出せないのですが、それでもデイトレードにのめり込んで身を滅ぼす人も絶えないようですね。Wikipedia にも

1日に複数回の取引を行い、細かく利益を積み重ねる売買手法である。場合によっては、1日で数百万円〜数億円の利益を得られる(あるいは失う)など、これまでのトレード手法と比べ、即時性・ゲーム性・依存性が非常に強く、利益をあげ続けるためには高い熟練度を要する。

とありますが、どうして自分は儲かるのだと思えるのかが私には不思議でなりません。

まあ結局「バカ」というような表現はどうかとも思いますが、

北畑氏は朝日新聞の取材に対し「激しく言い過ぎたかもしれない。講演会で眠い目をした人に難しい話をしているのだから、少しはおもしろく言わないと聞いてくれない。適切ではなかったが、そこだけ取り上げられるのは本意ではない」と語った。

ということなので、笑って聞き流してあげるべきところだったのでしょう。公人としては失言には違いないのでしょうが…