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Fortnite開発元Epic GamesによるAppleとGoogleの提訴

いい方向には行かない気がします。
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昨日、ある方面では話題で持ちきりとなったのが、人気ゲームFortniteAppleApp StoreGoogle Play Storeから削除され、これを受けて開発元のEpic GamesがAppleとGoogleを提訴した、というニュースです。

ゲームに疎い方はご存じないかと思いますが、Fortniteというのはオンライン上で100人が同時に撃ち合い最後に残った人が優勝というバトルロイヤルモードが人気のいわゆるサードパーソン・シューティングゲームです。人気の理由はポップでカラフルなコスチュームやステージのデザインと、ダンスやポージングなどのコミカルなエモートでしょうか。

スマートフォン以外にPS4、Xbox、Nintendo SwitchやPCなど各種プラットフォームでプレイ可能なマルチプラットフォームゲームであり、iOSやAndroidというのはそのプラットフォームの一部に過ぎません。しかし、これらのプラットフォームの間で相互に通信して同じゲームを楽しむクロスプレイが可能というのも一つの特徴です。

ゲームプレイ自体は完全に無料となっていて、課金要素は上述のコスチュームやエモートのみであり、武器や能力などといったゲームの勝敗に影響するような要素を金銭で良くすることは一切できないというのも特徴でしょう。この課金に使われるのがVinderbucks、略してV-Bucksと呼ばれる仮想通貨です。

今回の騒動はまず、Epicが一昨日発表した「フォートナイト メガプライスダウン – 最大20%の永久割引」から始まったと言えるでしょう。この割引は期間限定のものではなく「永久」ということなので、普通に言えば値下げということになりますが、条件としてiOSとAndroidではプラットフォーム公式のストアではなくEpic direct paymentを使用して支払う必要があり、これについて次のように説明しています。

現在AppleとGoogleの支払いオプションを使用すると、AppleとGoogleは30%の手数料を徴収するので、最大20%のプライスダウンは適用されません。AppleまたはGoogleが将来支払いにかかる手数料を引き下げた場合、Epicはその引き下げ分をお客様に還元します。

要するにプラットフォーマーによる中抜きを回避することでその差額の2/3をユーザーに還元します、ということなのですが、当然こんなことがプラットフォーマーに認められるわけはなく、規約違反としてストアから削除されてしまったというのが昨日のことです。そしてそれを受けてEpicは両者を提訴し、#FreeFortniteという記事とともにNineteen Eighty-Fortniteという周到に作られた動画も投稿しています。つまりEpicは当然こうなるとわかっていたわけです。

この対立についてはいろいろな意見・見解がありますが、私としてはプラットフォームを利用する以上、規約に従う必要があり、その規約に問題があると思うならばそれを改善するための行動というものがあるだろうと思います。実際にはここに至るまでの間にEpicとAppleの間で協議が行われたものの、物別れに終わったために外部の力を利用しようと今回の行動に至ったということなのでしょうが、それにしても強引すぎるように感じてしまいます。

また、「マクドナルドやスターバックスは独自のアプリ内課金が必要なのに」と言っている人もいるようですが、これらの会社がサービスを提供しているのはプラットフォームの外側にある実在する店舗であり、プラットフォームの上で完結しているゲームとはまったく別の話で、同列に語るべきではないのではないでしょうか。

このような動きに出てしまったEpicは今後どうやって矛を収めるでしょうか。AppleやGoogleが30%というレートを少しでも引き下げれば妥協することができるかもしれませんが、それもちょっと想像しづらいように思います。当然あらゆる着地点も考えた上での行動であるはずですが、素人の私にはあまり良い結果をイメージすることができません。

#FreeAgnes

対岸の火事で良いのか。
🇭🇰

昨日、香港の民主活動家であるメディア王とされる黎智英(Jimmy Lai)氏や、同じく活動家の周庭(Agnes Chow)氏らが国家安全法違反の容疑で逮捕されたとのことです。周庭は昨日のInstagramの投稿で自宅周辺に不審な人物が何人もいると伝えていましたが、これが逮捕に先立って監視している当局関係者だったのでしょう。

この国家安全法、正式名称は「中华人民共和国香港特别行政区维护国家安全法」というようですが、今年6月30日に成立したこの法律では反体制活動が禁止されるため、周庭ら指導者層は同日付で所属していた民主化政党デモシストを脱退し、デモシスト自体も解散することになりました。要するに中国共産党にとっての国家体制を維持するための法律を香港にも作ったというようなものなので、すべての民主化運動はすなわち反体制活動となってしまい、周庭らも断念せざるを得なかったということなのでしょう。

しかしそれでも今回の逮捕に至ったというのはどういうことなのでしょうか。彼女らが影で活動を続けていたということなのか、それともこの法律が過去に遡及して適用されたということなのでしょうか。後者であるとすると民主国家では考えづらいことですが、中国では何でもありなのかもしれません。

また日本のメディアでは見栄えのする周庭を全面に持ってきていますが、彼らの同業者である黎氏が国家権力に逮捕されているということについてあまり多くを語っていません。普段国内では報道の自由を振りかざしているのに、こういう本当に必要な時には黙り込むような姿勢はどういうことなのでしょうか。これでは中国におもねっているようにしか見えません。

こういうときにも友好を笠に着て穏便に済ませようとする人たちもいますが、それは事なかれ主義ではないのでしょうか。イギリスやアメリカなどと並んで日本の官房長官も今回の逮捕について重大な懸念を表明していますが、これを淡々と伝えるだけのマスコミはただ他人事のようですが、それで良いのでしょうか。

しかし中国も背に腹は代えられなくなってきたのか、なりふり構わず強引な手に出てきたものですが、これも最近のアメリカの攻勢に押されてのものなのでしょうか。このところTrump大統領は中国に対してかなり強硬な姿勢を取り続けていますが、ひょっとすると共産党独立体制を切り崩すのはTrumpなのでは…などとかすかに思っていたりもしますが、それは買いかぶりすぎなのでしょうね。

2020年5月30日のアメリカ

同じ日に同じ国で。
🇺🇸

COVID-19の最大の感染国になってしまったアメリカですが、2020年5月30日は大きなニュースが2つありました。

今月25日にミネアポリス白人警察官Derek ChauvinがGeorge Floydという黒人男性を取り押さえる際に膝で首を長時間押さえつけていたことが原因で死亡するという事件がありましたが、これに対する抗議のデモから暴動に発展し、30日には各地に飛び火することになりました。

アメリカで白人警察官による黒人への人種差別的暴力行動も度々起こることなら、その都度このような暴動も繰り返されていますが、今回はCOVID-19とそれに対応するためのロックダウンなどで人々の鬱憤が蓄積していたこともあってか、かなり規模が大きくなっているようです。しかし一方で、店舗の前で暴動をなんとか鎮めようとする善意の人もいるようで、「アメリカ人」もひとくくりにできるわけではありません。

日本から見ているとアメリカの警官はどうしてこんなことを繰り返してしまうのか、またか、と思ってしまうかもしれませんが、アメリカの警察官は日本よりも命がけで必死なのです。日本でも職務によっては同じようなことはあるかもしれませんが、相手が銃を持っていても不思議ではありませんし、常に死と隣り合わせで仕事に取り組んでいます。警察に車を止められたらハンドルの上に両手を置いて待ち、急な動作はせず、何かを取るときには許可を得てから、というのは私のアメリカ駐在中に言われていたことですが、警察官側も一瞬の判断が命取りになるので躊躇せず発砲するわけです。そのような緊張感が行き過ぎることで今回のような事件に発展してしまうのだと思います。

[2020-06-01 追記]
なお、だからといって今回のChauvinの事件を正当化する意図はまったくなく、なぜこんな愚かな行動を取ってしまう者が続出するのか、そのわけを考えてみたまでです。おそらく相手が白人であったなら起こらなかった事件でしょうが、アメリカの人種差別の問題は深く難しいものなのでここでは述べていません。また、今回全米の多くの警察官の命をさらに危険に晒すことになったという点においても、罪深い一件だと思っています。
[追記ここまで]

ただ、こうした抗議行動が暴動と略奪につながってしまうのは私にも理解のできないことですが、日本以外の国ではそれほど不思議なことではないようで、逆に同調圧力がいい方向に効いて統制の取れた日本のほうが特殊なようだというのは3.11のときにも話題になりましたね。

一つ目のニュースが長くなってしまいましたが、もう一つはSpaceXCrew Dragonに乗ってNASAの2人の宇宙飛行士が国際宇宙ステーションに向けて飛び立ったということです。打ち上げは3日前に計画されていたものが延期されていたものですが、今回は無事成功し、その様子はYouTubeで同時配信されましたが、日本では発射時刻が未明となってしまったため、私はちょっと遅れてリプレイで視聴しました。

NASAにとっては2011年のスペースシャトル退役以来の約9年ぶりとなる有人ロケットの打ち上げになりましたが、今回は民間企業による有人ロケットの打ち上げであるという点で歴史的なものとなりました。Dragonの打ち上げにかかる費用はスペースシャトルの3分の1程度にまで圧縮されているそうで、かなり効率化が進んでいるようです。

SpaceXのFalconロケットといえば、これまでは打ち上げそのものが見どころであったものに加えて、メインロケットとブースターロケットが帰ってきて垂直に着地する、というのも大きな見どころとなりました。今回はブースターロケットを使用していないためメインロケットのみの帰還となりましたが、これも無事に成功しています。なお、Of Cource I Still Love Youと名付けられたドローン船への着地時はいつも中継画像が途切れてしまうのですが、これはロケットが減速するための噴射で船が揺れ、中継用の衛星を捕捉できなくなってしまうのが原因であり、わずか数秒の中継のためには対策コストが見合わず、仕方がないことのようです。

このほか打ち上げの時に私が感じたのは、他のロケットの打ち上げのときよりすっと上がったな、ということです。実際にロケットの点火はリフトオフの直前でしたし、重量感があまり感じられないような気がしたのはロケット自体がスペースシャトルなどよりだいぶ軽量だからなのかもしれません。また、Crew Dragonの内外装がSFチックで未来的にクリーンな仕上げになっているのも印象的です。特にキャビンはスイッチと計器類で埋め尽くされていたスペースシャトルなどに対し、Crew Dragonではほぼ自動操縦であることもあって液晶タッチパネルが広がっているだけです。宇宙服やヘルメットもかなりスタイリッシュですし、空想していた未来が現実になったかのように感じられます。

ということで、奇しくもアメリカの明るい面と暗い面が同日に見られることになってしまったわけですが、これはどちらもアメリカの現実です。