今日3月13日、民間宇宙事業会社スペースワンにより小型ロケット「カイロス」の1号機が打ち上げられましたが、残念ながら発射から5秒後に飛行中断処置が行われて爆発し、打ち上げは失敗(PDF)となってしまいました。このロケットは当初2021年度内の打ち上げを目標としていたものですが、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻の影響を受けて遅延し、今年3月9日に予定した打ち上げが延期となり、結果として今日の打ち上げとなったものでした。

私はこのカイロスを含めスペースワン社についてあまり知識がなかったのですが、小型の固形燃料ロケットによって契約から打ち上げまでの期間を世界最短とし、また打ち上げ頻度を世界最高とすることを目指しているとのことで、今回の打ち上げはその最初のものだっただけに、失敗したこと自体はもちろん残念なことです。

しかし、ロケットの打ち上げに失敗はつきもの、というかその成功率を上げることに各社とも苦労しているのですから、参入したばかりのスペースワンがそう簡単に成功するとは同社も思っていないでしょう。今回の失敗を糧として、今後どう改善・改良していくかが重要なことだと思います。

今回の発射に使われた射場は同社のスペースポート紀伊というところで、本州の(ほぼ)最南端である和歌山県串本町にあります。工場から陸送できるところでできる限り南ということで選ばれたようですが、太平洋から1kmほど内陸側にあるのがちょっと意外でした。今回打ち上げ手順を中断したロケットが山中で炎上しているのを見て、これが人家や道路に落ちてしまうことはないのかと若干不安を感じてしまいましたが、きっとしっかり管理されていて問題ないのでしょう。

このスペースポート紀伊は位置的に、打ち上げに合わせて休暇を取れば見学に行くことも難しくない場所なので、打ち上げが安定してきたら見に行ってみたいとも思いました。最高頻度を目指すということですから、地元の人にはもう珍しくもないとなるくらい、バンバン打ち上げられるようになってほしいものです。