16 BlocksこれがJohn McClaneと同じ人とはとても…

これまでのところ、私が今年観た映画の中で「一番面白かった映画」といえば「ダイ・ハード 4.0」なのですが、この作品で主人公のJohn McClaneを演じているBruce Willisが同じく主演した16ブロックという映画が地味ながら面白そうだったので観てみることにしました。

16ブロック
監督:リチャード・ドナー
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2007/11/07)
ISBN/ASIN:B000VG7XHQ

本編が始まるやいなや、まず驚いてしまうのがBruce Willisの変わりようです。ダイ・ハードのときのスーパーマンぶりは一体どこへ行ってしまったのか、捜査中の事故で足を痛めたせいで一線を退くことになってしまった、酒に溺れて老いぼれた冴えない刑事を見事に演じています。もちろん外見についてはハリウッドのメイクアップ技術のおかげもあるのでしょうが、演技の面でもさすが数多くの輝かしい作品に出演してきた大スターは違います。
Bruce Willis starring Jack Mosley
ストーリーの方はその中年刑事Jack Mosleyが、急遽上司に証人の護送を依頼されるのですが、わずか16ブロック先の裁判所へ向かう道中でその証人を抹殺しようとする連中に襲われてしまいます。慌てて逃げ込んだバーから署に電話して応援を要請するものの、そこに現れたのは…というようなことなのですが、まあそれほど斬新というわけでもありません。しかし、一旦追い詰められたかに見えたところからさらに粘りを見せるところはちょっといいですね。全体的にハリウッドらしいご都合主義的なところはありますが、それほど派手なアクションでもないのになかなかドキドキの展開です。

Jackと一緒に逃げる証人Eddie Bunkerを演じているのはラッパーでもあるMos Defなのですが、映画俳優としても既に多くの作品に出演してきているだけに個性的な喋りもあってかなりいい味を出しています。Wikipediaでフィルモグラフィーを見ると、私がこれまでに観た中では「ミニミニ大作戦」(当然新しい方)や「銀河ヒッチハイクガイド」などに出ていたようです。どうも演技力がただ者ではないように見えましたが、どうやら大学で演技について勉強した人らしく、また14歳の頃からテレビ映画に出演していたということなので、そういうところからもしっかりと基礎から身に付けているようです。

内容的にほとんど女っ気がないということも地味さ加減に拍車をかけているのかも知れませんが、ラストシーンは結構ジーンと来るものがあるのではないでしょうか。DVDでは劇場公開版の他に、「もう1つのエンディング版」という別バージョンを観ることができるのですが、こちらの方は本当に全く違う終わり方になっていて、かなり後味が違います。どちらのバージョンを観るかによって全体的な印象も全く変わってくるのではないかと思いますが、劇場公開に選んだ方はやはり正解だったのではないでしょうか。まあ意外性では別エンディング版の方かも知れませんが…