原作になかった最後のシーンは蛇足かと…
先週末はうっかり風邪にやられてしまい、延べ60時間ほども寝込んでしまっていたのですが、風邪が治る薬というものはないので速く治そうと思えばしっかり暖まって寝るに限ります。それでも3日もかかってしまうというのはそれだけ抵抗力が落ちてしまっているということになるわけですが、このところ睡眠時間が短くなってしまっていたこともその一因でしょう。結局今朝も体調が今一つだったので大事を取って会社を休んでしまいましたが、昼を過ぎてだいぶ調子が良くなってくると今度は時間を持て余すようになってしまい…ということでちょうど借りてあったDVDの「ザ・シューター 極大射程」を観ることにしました。
あえて言うまでもないかも知れませんが、この作品は先日読んだStephen Hunterの「極大射程」を映画化したもので、基本的なストーリーや主だった登場人物の設定などはおおよそ原作通りになってはいるのですが、映像化すると煩雑になってしまいがちな伏線などはそぎ落とされてシンプルなものになってしまっているのがやむを得ないながらも残念なところです。ここが先に原作を読んだときに面白かったところだったのですが…
ということはどういう話になってしまったのかといえば、アクション中心のシンプルなストーリーになってしまい、サスペンス性はかなり希薄なものとなってしまったのが残念なところです。ただ、およそ2時間という尺の中に全てを映像として収めなければならない、映画そのものの制約によるものとも言えるので、原作と比べて云々しても意味はありませんね。単独の映画としてみれば原作以上に色気のない、ハードボイルドなガンアクション満載の作品となっています。
主人公Bob Lee Swaggerを演じるのはMark Wahlbergですが、ベトナム帰還兵という設定は原作だけのもののようなので若すぎるということはないのかもしれません。後に相棒となるNick Memphis役は「ワールド・トレード・センター」でWill Jimenoを演じたMichael Peñaですが、FBI捜査官としてはかなり頼りなく見えるものの、そもそもそれが狙いの配役にも見えます。
全体的に伏線が張られているべきところがなくなってしまっているので、突っ込みどころ満載にもなってしまっているのが残念なところなのですが、原作では特に冴えていると思われたものが「そんなオチとは…」と苦笑してしまいかねないものになっているのはちょっとガッカリです。まあ、映画を観てしまったあとではそのオチもばれてしまっていて原作の面白さも半減といったところでしたから、先に原作を読んでおいたのがせめてもの救いだったかもしれません。映画もつまらなかったわけではないのですが…