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映像研には手を出すな!

かなりマニアックでよい。
📺

ここでも何度も書いたことがあると思いますが、以前から私はテレビの放送をほとんど見ず、独身時代にテレビを購入してももっぱらケーブルテレビでMTVばかりを見て(聞いて)いたり、ビデオを借りてきて映画を観るだけだったのですが、最近はテレビの録画機能を使って見ている番組がいくつかあります。その一つは「ブラタモリ」で、旅行とうんちくが好きな私にはもってこいな番組なのですが、あの喋りのペースがどうしても眠気を誘うので見ているのが結構辛いためか、実はここ1年ほどほとんど見ておらずハードディスクを圧迫してしまっている状態なのでいい加減整理しなければなりません。

そしてもう一つというのが今年1月からNHKで放映中のアニメ「映像研には手を出すな!」で、一部方面で話題となっているものです。この作品は大童澄瞳氏のコミックを原作とするものですが、実は4月から実写ドラマ化、そして5月には実写映画化されて公開されることになっています。どうしてこんなに畳み込むように売り込んできているのか分かりませんが、少なくともアニメは非常に良いです。

アニメを作るのが夢だった主人公らが高校に入学し、3人で「映像研」を立ち上げてアニメを制作していく、という話なのですが、少女が主役のアニメにありがちな「萌え」要素は一切なく、設定に関する図解や映像制作に関するこだわりがたっぷり散りばめられた非常に濃い作品になっています。アニメの中でアニメを作る、という一種の入れ子構造になっているのですが、それによる複雑さのようなものは特にありません。ただ、いつの間にか主人公浅草氏の空想の世界に入り込んでいて、その境界が曖昧になっているというのは副作用的なもので良い効果かもしれません。

これが実写版では乃木坂46のメンバーが主演になるということでどうなるのか非常に不安ですが、はたしてどうなるでしょうか。カリスマ読モの水崎氏はあまり問題にならないでしょうが、金に執着する金森氏、そしてべらんめえ口調の浅草氏をイメージを崩さずに演じきれるのか、なかなかハードルが高いのではないかと思います。それ以外にはアニメに関するイメージの部分がどのように表現されるのか、あくまでアニメとして描かれるのか実写のイメージとして表されるのか、ある意味興味深いところでもあります。

しかし「ブラタモリ」といい「映像研〜」といい、私の大嫌いなNHKばかりを見ることになってしまったのはどういうことでしょうか。確かにスポンサーの意向に囚われずに番組作りができるというのは受信料で成り立っているNHKだからこそなので、こういう良質な番組を作ってくれるなら受信料も快く支払うのですけどね。ただ、衛星放送は家族の誰も一切見ないのに、マンションにアンテナが付いているからというだけで強制的に衛星契約させられ、しかも私が不在の間に妻を騙すように契約させて解約を認めないというのには未だに憤りが冷めず、相変わらずNHKは大嫌いなのです。

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Spider-Man: Into the Spider-Verse

私はKirsten DunstのMJが好きなんですが。
🕷️

この3月は個人的に観たい映画ラッシュで大変なのですが、2019年のアカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞した「スパイダーマン: スパイダーバース」もそのうちの一つだったので早速観てきました。私はセリフも役者の演技の重要な部分だと思っているの基本的に洋画は字幕版で観ることにしているのですが、地元の映画館では本作は残念ながら日本語吹き替え版のみの公開となっていました。まあ本作はアニメだからもともと吹き替えというか声を当てているだけではあるのですが、オリジナルではHailee Steinfeld, Mahershala Ali, Nicolas Cage, Liev Shreiber, Chris Pineといったハリウッド俳優の錚々たる面々が揃っているので、せっかくなら彼らの声で観たいと思っていたのでした。しかし、実際に観始めてしまえばそんなことはそれほど気になることもなく、逆に字幕に気を散らされずに没入できたのではないかと思います。ただし、日本語吹き替え版では映像内の文字も一部日本語になってしまうのは残念なところです。

スパイダーマンといえばPeter Parkerですが、本作の主人公はMiles Moralesというアフリカ系アメリカ人の少年です。実際にはPeter Parkerも登場しているのですが、スパイダーマンに限らずMarvelの作品群にはいくつもの平行世界が存在して、そのうちの一つでスパイダーマンとして活躍しているのがMilesで、本作はまさにその平行世界をテーマに扱ったものとなっています。したがって、Peter B. ParkerとしてMary Jane “MJ” Watsonと結婚したスパイダーマンや、スパイダー・ウーマンとして正義のために戦うGwen Stacyなども登場して、なかなか賑やかです。

本作はアニメーションではありますが、リアルなCGをあえてトレースしてアニメらしくするというような手法が取られているらしく、背景や自動車などは非常にリアルに描かれている一方、アニメらしいキャラクターともとても良く馴染んでいます。また、人物の周りをゆっくり回り込むようなカメラワークも用いられていますが、これは手書きのアニメでは非常に手間がかかるはずのもので、CGならではということになるのではないでしょうか。そんなカメラワークや独特の色使いなどによって、本作は映像的に非常にカッコイイ作品になっています。

また音楽もヒップホップ系のカッコイイものになっていて、サントラ盤もしばらくヒットしていたようですが、それも含めて本作はハイティーンから20代以上の大人をターゲットにしているものと思われます。そして、実際に大人が観ても満足できる仕上がりの作品になっているのではないでしょうか。アニメと言えば子供のもの、という時代はもう終わったと思いますが、私自身も期待していた以上の満足感があり、さすがアカデミー賞を受賞しただけのことはあると思いました。

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Incredibles 2

Pixar史上最高傑作か。
Incredibles 2

もともとコンピューターグラフィックス制作のためのコンピューターハードウェアを製造・販売していた会社だったPixarですが、今やアニメーション映画制作で右に出るものはいないのではないでしょうか。Pixarの作品が素晴らしいのは映像技術だけではなく、そのシナリオが非常に優れていることですが、1作品のシナリオを練り上げるために2〜3年もの期間をかけると言われており、アニメーションにしっかりと魂が込められているということだと思います。

このため、見かけは子供向けの作品でありながら、しっかりと大人も楽しめものになっているのがPixar作品で、私はその点でかなり信頼しています。今週公開された「インクレディブル・ファミリー」も観るつもりでいたのですが、公開がちょうど毎月1日の映画の日に設定されており、さらにそれが水曜日の定時退社日だったので非常に都合が良かったので、夏休みの子供達に混じって一人でいそいそと見てきました。

前作「Mr. インクレディブル」からすでに13年半も経っているとは驚きですが、これだけ時間が経っていると当時の小学生のほとんどが成人を迎えていることになります。したがって、さすがに前作のストーリーを知らないとよくわからない、などということは全く無く、主要登場人物の設定を引き継いでいるだけということになります。実際、私も前作はほとんど忘れてしまっていましたが、それでも何ら支障なく楽しむことができました。なお、劇中では時間が経過しておらず、前作終了から間もなくの話ということになっています。

ストーリー自体はファミリー向け作品ということであえてシンプルなものになっており、どんでん返しも大人であれば予想できる範囲のものかと思います。しかし、かと言って決して単純なものではなく、また手に汗握るアクションが繰り広げられ、子供だましのようなことは全くありません。Rotten TomatoesでもTomatometer 93%という非常に高い数値になっていますし、興行収入でも北米で歴代アニメ作品最高記録を達成したというニュースもありました。それどころか、PG-13以外のどの映画よりも高い成績となったとのことで、これは映画好きなら見ておかなければならない作品になったということではないでしょうか。

このシリーズは全体的に原色系でフラットなトーンが印象的な画作りになっていると思いますが、実はクローズアップシーンでは非常にリアルなテクスチャが用いられています。もはや実写以上にリアルな質感を表現しており、CG技術もとんでもない所まで来てしまっているようです。誰もこの作品にそこまでのものを求めてはいないように思いますが、そういったところでも手を抜かず、あくまで技術の粋を極めるということが完成度を高めるためには必要なことなのでしょう。

ということで、ちょうど今日前作のテレビ放映が行われていたのでご覧になった方もいると思いますが、それで面白かったと思ったならぜひ本作もご覧になることをおすすめします。