Archives

Spider-Man: Into the Spider-Verse

私はKirsten DunstのMJが好きなんですが。

この3月は個人的に観たい映画ラッシュで大変なのですが、2019年のアカデミー賞で長編アニメ映画賞を受賞した「スパイダーマン: スパイダーバース」もそのうちの一つだったので早速観てきました。私はセリフも役者の演技の重要な部分だと思っているの基本的に洋画は字幕版で観ることにしているのですが、地元の映画館では本作は残念ながら日本語吹き替え版のみの公開となっていました。まあ本作はアニメだからもともと吹き替えというか声を当てているだけではあるのですが、オリジナルではHailee Steinfeld, Mahershala Ali, Nicolas Cage, Liev Shreiber, Chris Pineといったハリウッド俳優の錚々たる面々が揃っているので、せっかくなら彼らの声で観たいと思っていたのでした。しかし、実際に観始めてしまえばそんなことはそれほど気になることもなく、逆に字幕に気を散らされずに没入できたのではないかと思います。ただし、日本語吹き替え版では映像内の文字も一部日本語になってしまうのは残念なところです。

スパイダーマンといえばPeter Parkerですが、本作の主人公はMiles Moralesというアフリカ系アメリカ人の少年です。実際にはPeter Parkerも登場しているのですが、スパイダーマンに限らずMarvelの作品群にはいくつもの平行世界が存在して、そのうちの一つでスパイダーマンとして活躍しているのがMilesで、本作はまさにその平行世界をテーマに扱ったものとなっています。したがって、Peter B. ParkerとしてMary Jane “MJ” Watsonと結婚したスパイダーマンや、スパイダー・ウーマンとして正義のために戦うGwen Stacyなども登場して、なかなか賑やかです。

本作はアニメーションではありますが、リアルなCGをあえてトレースしてアニメらしくするというような手法が取られているらしく、背景や自動車などは非常にリアルに描かれている一方、アニメらしいキャラクターともとても良く馴染んでいます。また、人物の周りをゆっくり回り込むようなカメラワークも用いられていますが、これは手書きのアニメでは非常に手間がかかるはずのもので、CGならではということになるのではないでしょうか。そんなカメラワークや独特の色使いなどによって、本作は映像的に非常にカッコイイ作品になっています。

また音楽もヒップホップ系のカッコイイものになっていて、サントラ盤もしばらくヒットしていたようですが、それも含めて本作はハイティーンから20代以上の大人をターゲットにしているものと思われます。そして、実際に大人が観ても満足できる仕上がりの作品になっているのではないでしょうか。アニメと言えば子供のもの、という時代はもう終わったと思いますが、私自身も期待していた以上の満足感があり、さすがアカデミー賞を受賞しただけのことはあると思いました。

スパイダーマン:スパイダーバース (オリジナル・サウンドトラック)

posted with amazlet at 19.03.09

Universal Records (2018-12-14)売り上げランキング: 473

Amazon.co.jpで詳細を見る

Incredibles 2

Pixar史上最高傑作か。

もともとコンピューターグラフィックス制作のためのコンピューターハードウェアを製造・販売していた会社だったPixarですが、今やアニメーション映画制作で右に出るものはいないのではないでしょうか。Pixarの作品が素晴らしいのは映像技術だけではなく、そのシナリオが非常に優れていることですが、1作品のシナリオを練り上げるために2〜3年もの期間をかけると言われており、アニメーションにしっかりと魂が込められているということだと思います。

このため、見かけは子供向けの作品でありながら、しっかりと大人も楽しめものになっているのがPixar作品で、私はその点でかなり信頼しています。今週公開された「インクレディブル・ファミリー」も観るつもりでいたのですが、公開がちょうど毎月1日の映画の日に設定されており、さらにそれが水曜日の定時退社日だったので非常に都合が良かったので、夏休みの子供達に混じって一人でいそいそと見てきました。

前作「Mr. インクレディブル」からすでに13年半も経っているとは驚きですが、これだけ時間が経っていると当時の小学生のほとんどが成人を迎えていることになります。したがって、さすがに前作のストーリーを知らないとよくわからない、などということは全く無く、主要登場人物の設定を引き継いでいるだけということになります。実際、私も前作はほとんど忘れてしまっていましたが、それでも何ら支障なく楽しむことができました。なお、劇中では時間が経過しておらず、前作終了から間もなくの話ということになっています。

ストーリー自体はファミリー向け作品ということであえてシンプルなものになっており、どんでん返しも大人であれば予想できる範囲のものかと思います。しかし、かと言って決して単純なものではなく、また手に汗握るアクションが繰り広げられ、子供だましのようなことは全くありません。Rotten TomatoesでもTomatometer 93%という非常に高い数値になっていますし、興行収入でも北米で歴代アニメ作品最高記録を達成したというニュースもありました。それどころか、PG-13以外のどの映画よりも高い成績となったとのことで、これは映画好きなら見ておかなければならない作品になったということではないでしょうか。

このシリーズは全体的に原色系でフラットなトーンが印象的な画作りになっていると思いますが、実はクローズアップシーンでは非常にリアルなテクスチャが用いられています。もはや実写以上にリアルな質感を表現しており、CG技術もとんでもない所まで来てしまっているようです。誰もこの作品にそこまでのものを求めてはいないように思いますが、そういったところでも手を抜かず、あくまで技術の粋を極めるということが完成度を高めるためには必要なことなのでしょう。

ということで、ちょうど今日前作のテレビ放映が行われていたのでご覧になった方もいると思いますが、それで面白かったと思ったならぜひ本作もご覧になることをおすすめします。

Batman Ninja

外国人には難しいような。

Marvel Cinematic Universeと呼ばれるMarvel Comics原作の実写映画化作品はすっかり映画の一つのジャンルを築き上げてしまったように見えますが、DC Comicsの方はSupermanやBatmanは古くから映画化されてヒットしていたにもかかわらず、その後の展開では遅れを取ってしまっているようです。だから奇策を取って、というわけではないでしょうが、「ニンジャバットマン」というアニメ映画が日本で製作されて公開されました。

「え? 忍者?」とだいぶゲテモノ臭が漂っていたこともあり、私は観るべきかどうかだいぶ迷ってしまったのですが、「スーサイド・スクワッド」で見てずっと以来iPhoneの壁紙にしているほど好きになったHarley Quinnも活躍(?)するようなので、仕事の後に観に行ってみることにしました。

本作はBatmanが主役でメインの敵はJokerと付き従うHarley Quinn、その他Cat WomanやPenguin、Two Faceなど諸々のキャラクターが登場するという、それだけ見ればオーソドックスなバットマンシリーズなのですが、ただ舞台が中世日本、戦国時代というところが特徴です。もちろんバットマンが戦国時代の日本に現れるという時点で荒唐無稽な話なのですが、その先にはそれどころでないバカバカしい話が繰り広げられ、ダークナイト三部作や「ジャスティス・リーグ」のシリアス路線とは全く別物と考えなければいけません。まあ、スーパーヒーロものという時点でまったく非現実的ではあるのですが。

しかし、ストーリーや設定はともかく、映像としてはとても面白いものでした。BatmanとJokerの直接対決シーンはかなりスピード感があって見応えがありましたし、Batmanが状況を分析する説明的な場面では多彩な演出が使われて、退屈させられるようなこともありませんでした。やはりアニメの映像表現については日本の技術は今でも世界をリードしているのでしょうか。

なお、本作は日本では劇場公開となっていますが、アメリカではネット配信とBlu-ray/DVDの販売のみとなっているようです。さすがにテーマ的に日本以外の国では無理があるので仕方ないでしょう。日本で常識的に知られているような戦国武将の名前を知らないと、どういう意味なのかわからないようなところも多々あるはずです。せっかくDC Comicsを元にしているのにこうして市場を限定してしまったというのは大変もったいないことのように思えますが、まあ仕方ないでしょう。