8年ぶりで終幕。

新世紀エヴァンゲリオン」といえば日本のアニメ史上に残る作品であることは疑いようがないと思いますが、本シリーズがテレビ放映された1995年当時、私は既に会社勤めしていてテレビをほとんど見ていなかったので、本作については名前しか知らないままの状態が20年ほど続いていました。私よりちょっと若い人たちは皆当たり前のように知っていたので、ずっといつかは観るべき作品だと思っていたのですが、それにようやく触れたのは2015年にAmazonKindleストア原作コミックが1冊50円という激安セールになっていたためでした。それを一気に読んだあと、Prime Videoで観られるようになっていたテレビアニメシリーズもすべて観て、その後映画版も「」「」「Q」の三作を立て続けに観てしまいました。

その「Q」も「つづく」で終わっており、次回予告もある状態のまま何年もの歳月が流れていたのですが、ようやくその完結編となる「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が今週、公開直後の集中を避けるためか珍しく月曜日に公開されたので、最初の週末である土曜日に私も観に行ってきました。

まだ内容については触れるべきでないと思うのでここでは極力何も書かずにおきますが、これまでの作品を観ていない人にはさすがに厳しいのではないかと思います。冒頭には「これまでのヱヴァンゲリオン新劇場版」としてあらすじが紹介されますが、これはあくまで観てきた人が思い出す程度のものでしかなく、これでストーリーを把握することは到底できないでしょう。

まあスケールの大きな、あくまで大人向けのストーリーでしたが、なんとかすべてを納めることができたようです。ただ、私もまだ1回で完全に理解できたわけではないので、もう一度くらい劇場で観て、さらにその後配信などで見直して理解を深める必要がありそうです。手始めとして、帰宅後に序・破・Qをすべて見直してみましたが、それで繋がりがはっきりした部分もあるので、これから観るという人はその前に復習しておいたほうが良さそうです。

しかし、たかがアニメと思っている人もいるでしょうが、これだけのスケールの作品は逆に実写では難しいでしょう。実写でやるにしても結局CGの力をかなり必要とするでしょうから、そのCGで作った絵とアニメで何が違うのかということになります。人物だけでも俳優が演じれば、ということかもしれませんが、それにしても違いは表情だけのことでしょう。もちろん俳優が顔で見せる演技にはすごい力があると思いますが、アニメーターが絵で見せる演技も馬鹿にできないものがあると思います。まだまだ実写だけで作られる作品にはそれならではの味がありますが、CGを使った作品とアニメとの境界はかなり曖昧になってきているのではないでしょうか。