映画スター・ウォーズには、映画のストーリーとは直接の関係はないものの、その設定を借りて書かれた公認の「スピンアウト小説」というものが数多く存在します。もともと壮大なスケールの銀河世界を舞台にした映画なので、映画化されているエピソードと並行して起こった出来事も星の数ほどあるわけで、それらについて描かれているものと考えればよいでしょう。今回、スピンアウト小説として初めて、代表的作品でもある「ダース・モール 闇の狩人」を読みました。

スター・ウォーズ ダース・モール 闇の狩人
マイケル リーヴス Michael Reaves 富永 和子
ソニーマガジンズ (2001/04)
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ダース・モールといえば、スター・ウォーズ エピソードI ファントム・メナスでクワイ・ガン・ジン、オビ・ワン・ケノービと死闘を繰り広げ、結果クワイ・ガン・ジンを倒したもののオビ・ワン・ケノービに体を真っ二つにされた、顔の赤と黒の模様が印象的なシス卿です。全体的にはこのダース・モールが主人公となるのですが、文章はこの他にも登場する何人かの人物の一人称で記述されています。逆にダース・モールの一人称の部分は少ないかもしれません。

主な舞台となるのは銀河の首都であるコルサントのスラム街で、私は映画ブレード・ランナーの舞台を思い浮かべながら読み進めました。ちょうどあの映画と同じような暗い雰囲気を持っているのではないかと思います。

映画スター・ウォーズとは直接の関係がないので、特に映画を観たことがなくても楽しめるのでないかと思いますが、ジェダイについてはある程度の予備知識があった方が良いかもしれません。ジェダイやフォースといったものはもちろん架空の存在なのですが、この小説の世界ではごく自然に存在するもののように描かれています。スター・ウォーズと言えばライト・セーバーを思い浮かべる人も多いのではないかと思いますが、この作品でもしっかりと描かれています。特にダース・モールの双刃のライト・セーバーは映画でも強い印象を与えてくれていましたが、この小説でも印象的に使われています。

映画のノベライズというのとはちょっと違うスピンアウト小説ですが、スター・ウォーズのファンからも一定の評価を得て支持されているということが、読んでみてよくわかりました。熱心なファンであればあるほど、その世界観を大事にするものだと思いますが、スピンアウト小説は単に舞台を借りているだけではなく、その世界観を大切に守っているということが伝わってきます。恐らくは書いている人も熱心なファンなのでしょう。私は今回同時に何冊かのスピンアウト小説を購入したのですが、それらについても読むのがより楽しみになってきました。

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