豚の角煮って美味しいですよね。甘辛いタレで、肉の繊維が箸で簡単にほどけるほどまで柔らかく煮込まれた肉は最高です。食べると幸せな気分になれるというのは、きっと私だけではないでしょう。これは私の大好物の一つです。そんな私は、あの大手牛丼チェーンの吉野家で提供されている厚切り豚角煮定食が凄い、というのを小耳に挟んだので、居ても立ってもいられずその翌日のランチに食べに行ってきました。

吉野家のメニューの中ではちょっと高めの税込1097円という価格ですが、今は吉野家も牛丼ばかりではなく定食メニューもだいぶ充実しているようで、その中では際立って高いということでもないようです。やはり客単価を上げていかないと、吉野家といえど生き残っていけないのでしょう。しかし、実際に食べてみるとこの価格でもだいぶ安いのではないかという気になりました。

吉野家といえばある意味肉のプロフェッショナルです。どちらかといえば牛のほうが得意なのかもしれませんが、それでも肉の仕入れや扱いについては相当な経験やノウハウを蓄積していて、並ぶレベルのものはそう多くないのではないでしょうか。その吉野家が提供する豚の角煮なのですから、どうしても期待は高くなってしまいますが、それに見事に応えてくれたのではないかと思います。いえ、実際はここまでのものとは予想していませんでした。

ブロック肉の大きさも予想以上で満足できるものでしたが、それ以上に驚いたのがホロホロに煮込まれた肉の柔らかさです。箸で裂いて食べられるというのはもちろんそうなのですが、肉の繊維と同じ方向に箸で摘もうとすると裂けて摘めない程で、ここまで柔らかいものはあまり記憶にありません。ちょっと脂身の割合が高いように感じたので、苦手な人もいるかもしれないとは思いました。しかし、これはこれでトロトロになっているので、高カロリーであることに目をつぶれば背徳的な美味しさはあります。濃厚な甘辛タレのおかげでご飯は進みますし、添えられているねぎラー油と一緒に食べても美味しかったです。ただ、ねぎラー油の味がタレに勝ってしまうので、タレの味を楽しんだあとで味変とするのがいいのではないでしょうか。

なお突然台湾の話になりますが、豚の角煮というと思い出すのは、先日高雄でも食べた台湾南部の魯肉飯(北部では焢肉飯)に載っている滷肉です。日本のこってりした角煮と違って、こちらはだいぶあっさりした優しい味付けになっていて食べやすいと思います。必ず八角が効いているというわけでもないので、エスニックなスパイスが苦手な人にも好みの店が見つかると思うので、ぜひ試してみてほしいです。