どうも話が噛み合わないということがあって以前から気になっていたのですが、昨日の「なぜ4月1日生まれが早生まれになるのか」という記事を書くときに調べていて少々衝撃的な事実を知りました。

日本では十二時間法で時刻を表すとき、一日を午前と午後に分けて表現しますが、正午12時は午前なのか午後なのかというのがこの記事のポイントです。日本ではその法的根拠となるのが太政官布告第337号という明治5年の「改暦の布告」で、つまり日本の暦が太陽暦に改められたときにまで遡るということになります。これによると、昼の12時は午前とされており、24時間制でいう13時からが午後ということになります。50年以上生きてきて初めて知ったこの事実に私は驚いてしまったのですが、これは常識なのでしょうか。正午を過ぎたら午後、というのが普通の認識ではないのでしょうか。

英米というか英語ではAM/PMで表しますが、これはラテン語のante meridiem/post meridiemの略で、meridiemというのは頂、つまり正午のこと、anteは〜の前、postは〜の後という意味です。したがって、正午以前がAM、正午を過ぎるとPMということが明確で、昼の12時は12PMとなります。11AMの次が12PMで、その次が1PMと不連続になることを嫌う人がいたりするようです。なお、混乱をさけるために軍では24時間制を使うようですが、アメリカの日常生活では普通12時間制を使うので、日本人が24時間制を使うと「軍隊みたいだな」と言われたりもします。

ということは、午前/午後とAM/PMは等価ではないということです。 正午は午前12時で12PM、深夜12時の正子は午後12時で12AMなのです。実際はある程度ゆらぎがあるというか、私のように誤って(?)使っている人がいるために正午を午後12時と言う人もいるようですが、厳密にはこのようなことになっているとのことで、これはなかなかの衝撃でした。なお、深夜12時のことを正子と呼ぶことも今回始めて知りましたが、午の刻で正午というのだから子の刻で正子と呼ぶのは自然なことでした。

ちなみに国立天文台の「よくある質問」にまさに「正午は午前12時?それとも、午後12時?」というそのものズバリの質問があり、この中で

しかし、例えば「午前12時30分」という言い方をしたときに、これを昼のことと考えるか、夜中のことと考えるか、人によって見方が違ってしまう可能性がありますので、「午前12時何分」という言い方はせずに、「午後0時」という言い方をしたほうが誤解は少なそうです。

と書かれているのですが、これがまったく解決になっていないと思うのは私だけでしょうか。「午後0時」と言われても私には正午のことなのか正子のことなのか全然わかりません。また、英語の12時間制では「0時」を使わず1〜12しか使いませんし、先の太政官布告第337号には午前零時はあっても午後零時はありません。結局日本では24時間制を使うのが無難なのでしょうか。