iPod touchもっとWiFiを!

私はちょっと値の張る物を買うのは誕生日に、と勝手に決めていて、今年はもう2月近く前に誕生日を迎えたわけですが、欲しい物が色々あってなかなか絞りきれないのは毎年のことです。今一番欲しい物といえばK20Dで、これが一番有意義なのではないかと思うのですが、これには妻が反対するのでとりあえず諦めることにしました。他には30inchか27inchの大型液晶ディスプレイやデスクトップPCのパワーアップ、新しいノートPCといったものも考えたのですが、どれも快適になるのは間違いなくとも現状からあまり大きな変化が見込めず、なければないで困るものでもないのでどうも躊躇してしまいます。また、新しいMyloiPod classicというのも前から欲しかったのでちょっと迷いましたが、どちらかを買ってももう一方はやっぱり欲しい、ということになりそうだったので、それなら多少高いような気はするもののどちらもある程度兼ねられそうなiPod touchがいいのではないかと思うようになりました。

買おうと決めたところで、iPod touchにはフラッシュメモリの容量が8GB, 16GB, 32GBの3種類があり、これがまた悩みどころです。8GBというのは安いのはいいのですが、iPod nanoと同じ容量かと思うとちょっと足りないような気もしてしまいます。また32GBというのは十分な容量とは思えてもどうせ私のライブラリ全ては収まりませんし、6万円という定価はいくらなんでも高すぎます。ということで消去法的に16GBを選ぶことにしましたが、そんなに動画を詰め込むつもりはなかったので十分と判断しました。一番の決め手はこれまでiPod shuffleに同期させていたスマートプレイリスト全体の容量が8GBをちょっと超えるくらいだったということでしょう。

もうひとつiPodを買おうと思ったときに困るのが「いつ買っていいのだろうか」ということですね。普通の電気製品なら発売から徐々に売価が下がっていってモデルチェンジ直前になると発売当時よりも割安になっているので、購入直後にニューモデルが発売されたとしてもその差額で何とか納得あるいは我慢できるものですが、アップル製品の場合には売価が安定してしまっているので、買った次の日にモデルチェンジないし価格改定があって性能が上がったり急に安くなったりして涙目になったり、それが怖くてなかなか買えないということがあります。iPod touchは32GB版追加からまだ間もないので大丈夫だとは思ったのですが、昨今の円高ドル安で価格改定というのもないとは言えません。まあ、そう言っているといつまで経っても買えないので、「欲しいと思ったときが買い時」と思い切って購入に踏み切りました。

Apple iPod touch 16GB MA627J/B
メーカー:アップルコンピュータ
アップルコンピュータ (2008/01/17)
ISBN/ASIN:B0012N9RVM

ということで届いたのは2日前です。相変わらずAppleはパッケージにも凝っていて、開封するときには何とも言えない高揚感をもたらしてくれるものですが、これはなかなか他社にはないものですね。真似できないというわけではないのでしょうが、日本のメーカーの発想では性能に関係のない部分は極力コストを削ろうとするものですから仕方ありません。実際パッケージなんて一度開けてしまえばただのゴミになるのですが、私のように後生大事に捨てられずに持っているという人も少なからずいるのではないでしょうか。

それはともかく、まずiPodというからには音楽プレイヤーとしての評価ですが、音質については私の耳で聴く分には十分いいのではないかと思います。まあソースがMP3ですから、全く問題ないレベルと言っていいのではないでしょうか。もちろん気になる歪みやノイズは全くありません。操作性の方はタッチスクリーンをAppleらしく上手く使ったユーザインタフェースで、多少画面の切り換えがまどろっこしいようなところはあるものの、あるべきところにあるべきボタンがある、という感じで、取扱説明書は全く必要としませんでした。

そしてもう一つ、iPodシリーズの中でもtouchならではの、iPhone譲りのネットワーク機能をはじめとする各種アプリケーションですが、WiFi経由で使えるウェブブラウザSafariマルチタッチを使った独特のインタフェースで快適に、また実用的に使うことができます。キーボード入力もAppleに移籍した増井俊之氏のPOBoxをベースにしたインタフェースのおかげでかなり有効に使えます。

他にも色々な機能はあるのですが、残念なのはアプリケーションを自由にインストールできないということですね。Jailbreakといわれるクラッキングを行えばインストールできるようになるのですが、私としては正規の状態で使っておきたいという気持ちがあります。となると今のところはWiFiの届くところでウェブアプリケーションを使う程度しかなく、もうすぐ利用できるようになるらしいiTunes Storeでのアプリケーションのダウンロードが待ち遠しいところです。まあ、これはあくまでiPodであってPDAではないので、何でもかんでもはできないのも仕方ないのですが、WiFiの有無でできることが格段に違ってしまうので、地方に住む者は非常にもどかしい思いをします。

ということで、発売からもう何ヶ月も経っていて今更なのであまり詳しくは書きませんが、何にせよただの音楽プレイヤーのはずなのに持っているだけで嬉しくなってしまうというのはさすがAppleです。見た目よりだいぶコストは削られているのではないかと思いますが、計算し尽くされた演出が弱いところを突いてきて非常に心憎いです。問題なのはすぐに指紋だらけになってしまうところですが、こればかりはどうにもならないのでしょうかね…