アラブ首長国連邦の首長国の一つアブダビで現地時間の昨夜、Abu Dhabi Autonomous Racing Leagueという、自動運転のフォーミュラカーによるレースイベントが開催されたそうです。

このレースについてはThe VergeIn the first Autonomous Racing League race, the struggle was realという記事で知ったのですが、イベント自体はまずまずの成功と言えるようですが、自動運転車の走行自体についてはまだ課題が山積といったような状況だったようです。

直線を走行中に急にフェイントまがいに進路を変えたり、スピンしたり、コーナー手前で曲がって外壁に衝突したり、といったあたりは技術的な問題なのでまだそういうことはあるかな、といったところでしょう。しかし、先頭車両がスピンアウトして停止した直後にイエローフラッグが出たため、そのイエローフラッグによる追い越し禁止という規則を忠実に守って、その時点で既に追い越し済みの車両も含めてすべての車両が停まってしまう、ということもあったそうで、これはシステム的な問題で事前に解決しておくべきものだったように思います。初めての試みなので難しかったのだろうとは思いますが、シミュレーションで洗い出せたのではないでしょうか。

ちょっと意外だったのはこれらの車両はホンダの2リッター4気筒直噴ターボエンジンをベースにした内燃機関を搭載したもので、電動ではないということです。自動運転をするなら電動車両のほうが出力を制御しやすいはずですが、興行のために排気音による迫力を求めたのか、あえて制御の難しいエンジンを使うことにこだわったのか、どちらかでしょうか。

今後もこのイベントが定期的に開催されるのかどうかわかりませんが、おそらく自動運転技術が年々進歩していく様子を見ることこそがこのイベントの楽しみとなると思うので、ぜひ継続してほしいものです。しかし、協賛企業を見ても知っている日本企業の名前が一つもないのが寂しいところで、ホンダエンジンとヨコハマタイヤが使われているのが救いという感じです。