2015 Indy 500これまで観た中で最高に面白かったレース。

昨日、モナコ公国の首都モンテカルロではF1モナコグランプリが行われていましたが、同じ日にアメリカのインディアナ州インディアナポリスIndianapolis Motor Speedwayでは99回目となるIndy 500の決勝が行われました。私は一昨年に続き、今度は同僚のY夫妻に誘われて2回目の観戦に行ってきました。

私の自宅を6時に出発して行った前回はスタンドに到着した時には既に国歌独唱が始まっているという状況であまりに余裕がなかったので、今年は出発を30分だけ早めたのですが、それが良かったのか、サーキットに近づく方向をちょっと変えたのが良かったのか、それともWazeの案内に従ったのが良かったのか分かりませんが、スタートの2時間前には車を停めることができました。指定の駐車場にたどり着くまでに時間がかかってしまった前回の経験から、今回は駐車場も予約せず、近隣の人が自宅前を貸しているところに停めればいいと思っていたのですが、早く着いたおかげでサーキットと1ブロックしか隔てていない空き地を貸しているところが利用できました。

今回のチケットはレースの5日ほど前になって購入したのですが、座席はターン1出口のR列なので前から18列目というところにしてみました。残念だったのは大スクリーンが正面にはなく、離れたところにあるものをかなり斜めから見なければならなかったことですが、コース自体はターン1の始まりからターン2の出口までを一望できるところだったので、レースを楽しむにはなかなかの場所だったと思います。
2015 Indy 500 - 佐藤琢磨
レースの方はなんと開始早々1周目のターン2で佐藤琢磨Sage Karamに接触してイエローコーションとなる最悪の出だしとなりましたが、琢磨は3周遅れとなったもののなんとかレースに復帰し、その後はピット戦略が上手く行って176周目にトップと同一周回に追いつき、最終的には13位でフィニッシュという結果でした。あの接触さえなければと非常に悔やまれる結果です。

というのは佐藤琢磨のレースですが、全体としては何度か大きなクラッシュもあり、そのうちいくつかは見ている眼の前で発生したのですが、途中からは上位5台のどれが優勝してもおかしくないというような緊迫したレースとなり、特に終盤はめまぐるしくトップが入れ替わる非常に見応えのあるものとなりました。一番人気のTony Kanaanもほぼ常に上位にいてラップをリードすることもあってスタンドは湧いていたのですが、154周目に気流の乱れかターンの入口でテールを滑らせ単独クラッシュ・リタイアとなり、スタンドも場内放送も落胆ムードとなってしまいました。

しかしそれを吹き飛ばしたかのようなのはJuan Pablo Montoyaの活躍です。今年40歳になる、かつてはF1でも活躍し、その後昨年までNASCARに参戦していたベテランは今年はIndyに参戦しているのですが、今年は初戦St. Petersbergで優勝したあと3位入賞2回と好調でした。私はF1時代からちょっと応援していたのですが、今回は中程15番手スタートながらも着実に順位を上げ、ふと気づくと先頭集団に入っていました。そして最後はポールポジションだったScott Dixon、チームメイトで2番手スタートのWill Powerとの3台で2,3周ごとにトップが入れ替わるような激しい戦いを繰り広げていたのですが、最終的にMontoyaが熱戦を制して自身14年ぶり2度目のチャンピオンとなったのでした。

500マイル200周のレースというと非常に長いように聞こえますし、実際4時間ほどかかっているのですが、終盤の興奮のおかげでくたびれてしまうようなことも全く無く、大変面白いレースでした。琢磨のクラッシュはあれさえなければとつくづく悔やまれますが、それも含めて実力なのでしょうか。琢磨ももう38歳とベテランですが、まだまだ頑張ってほしいものです。