日本時間の5月7日深夜、Apple新しいiPad発表のイベントを実施しましたが、このiPadのプロモーション動画”Crush!“が日本を中心に「炎上」しているようで、これはITmediaの記事「新iPad Proの動画「Crush!」炎上、世界に広がる」でも伝えられているとおりです。

楽器やカメラ、映像編集機器、PCやゲーム機などをプレス機で圧縮するとiPadになる、というものなのですが、この圧縮する過程でそれら楽器などが破壊されていく過程をリアルに描写してしまっているために、メッセージが意図通りに伝わらないものになってしまっているのが問題なのではないかと思われます。たとえばこれを物が壊れているのではなく、縦方向に圧縮されていくように漫画的な描写にしていたとしたら、だいぶ違う印象になっていたのではないでしょうか。

結果として、自分たちが大切にしているものをぶち壊されているような心象となってしまい、ネガティブな印象を与えるものになってしまっているのだと思います。特に日本ではものを大切にすることを美徳とする文化が一般的なので、特に不快に感じる人が多いのでしょう。

しかし、Appleに対して不快感を表明するのはいいのですが、これは必ずしも世界共通の意識ではないので、本社の謝罪を求めたりするのはちょっと違うのではないかという気がします。重要なのはこれが日本では受け入れられないものであり、これが彼らにとって失敗であるという認識を持ってもらうことです。しかし彼らは悪いことをしたとは思わないでしょうから、謝罪ということにはならないでしょう。それを求め続けても文化が違うので平行線だろうと思います。

とはいえ、冒頭のITmediaの記事にもあるとおり、英米からも批判的な声が上がっているようなので、必ずしも日本人だけが怒っているということでもないようなので、もしかすると動画が引っ込められたり、謝罪するということになるかもしれませんね。