先月、台湾の台中メトロの車内で刃物を振り回す通り魔が現れ、その犯人が長髪の男性が格闘の末、周囲の乗客に取り押さえられる、という事件が起こったそうで、それ自体は隣国の美談なのですが、その後の表彰の際にその男性が「ヒンメルならそうした」と発言したということで日本でも話題となりました。

この発言は私も非常に好きだったマンガ・アニメ「葬送のフリーレン」の中の主人公フリーレンのセリフで、各地で人助けをしていた勇者ヒンメルを見習ってフリーレンが良いことをした時に言ったものです。この男性も格闘は怖かったけれど、勇者を見習って勇気を振り絞ることができたということのようです。

これは本当に素晴らしいことですよね。格闘している間に顔などに傷が残りそうな怪我をしてしまったわけですが、それでも周りの人のために動くことができ、そしてそれをさらっと「ヒンメルならそうした」と。傷跡は勲章として一生誇っていいもののはずです。まあ狙った一言ではあるかもしれませんが、漫画原作者やアニメの製作陣も嬉しかったのではないでしょうか。

なお、一躍勇者となったこの男性はいかにもオタクという見た目ですが、「宅宅」と呼ばれているようなのは愛情を込めての表現なのでしょう。中国語でオタクのことは「宅男」というようですが、明らかにマンガやアニメと同様に日本から輸入されたものですね。