ようやく決断しました

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私が中学生の頃に父が購入したSuper-Aというカメラを使い始めて以来、デジタルになって*istDsK-7K-70というふうにずっとPENTAXのカメラを使い続けてきました。しかしこれは特にPENTAXの絵作りが好きだとか、愛着があるとかそういうことではなくて、単に手持ちのレンズをそのまま使いたいという、いわゆるマウント縛りに過ぎなかったのです。残念ながらキヤノンソニーニコンという現在の一流メーカーの製品群と比較すると、性能的には周回遅れと言わざるを得ないところがありますので、いつかは乗り換えたいと思っていたものの中途半端にあるレンズ資産が足かせとなっていたわけです。

しかし最近、使っていたK-70の調子が色々と悪くなってきて、7年ほど使ってきたのでそろそろ買い替えてもいいだろうと思っていたのですが、さすがにもうPENTAXには見切りをつけるべき時期が来ている、というよりすでに遅すぎるくらいではないかと思うに至りました。レンズ資産が、といっても最近はほとんどSigma 30mm F1.4 DC HSM | Artというレンズ1本を付けっぱなしで何でも撮っていたので、いいレンズが1本あれば結構どうとでもなるのではないかという気になりました。しかしこのレンズ、気に入って使っていたのに記事にできていなかったようです。

さておき、ではどのカメラにするのかということですが、さすがにもう一眼レフではなくミラーレスというのはまず当たり前として、最初はやはり次こそフルサイズにしたいと意気込んでいたものの、フルサイズというだけでだいぶ値段が高くなりますし、フルサイズ対応のレンズは大きく高価になりがちなので、と自分に言い訳をして今回はAPS-Cで我慢することにしました。メーカーも最初は今大人気のソニーにしようと思っていたのですが、持ち前の天邪鬼精神が発動してキヤノンを選ぶことにしました。これはキヤノンの定評あるAF性能が憧れだったというのが大きいです。キヤノンのAPS-Cミラーレスといっても複数あるわけですが、変に妥協して後悔したくなかったのでAPS-Cで一番いいやつ、EOS R7を選択しました。キヤノンのAPS-Cで一番いいということは、世の中のAPS-Cカメラで最高峰と言ってもいいのではないでしょうか。

レンズの方は今まで30mmを使ってきて「もう少し広角だといいのに」と思うことがよくあったので、ちょっとだけ広角にしてRF24mm F1.8 MACRO IS STMというものを選びました。F1.8なので若干暗くなりますが、私は普段F2.0~2.4で撮ることが多いので問題ないと判断しました。それより最短撮影距離14cmとかなり寄れるのは魅力です。Sigma 30mm F1.4は最短撮影距離30cmだったので、もうちょっと寄りたいと思うことが結構ありました。ちなみに最短撮影距離というのはレンズ先端からではなく撮像センサーからの距離なので、レンズの全長が63.1mm、フランジバックが20mmということから計算すると、レンズ先端から6cm程度まで接近して撮影できるということになります。感覚的には触ってしまうのではないかというような距離ですね。

実は購入してからすでに2ヶ月ほど経過していて、毎週使ってはいるのですが、機能が多すぎて未だにごく一部の機能しか使っておらず、押したことのないボタンもいくつかあって、宝の持ち腐れの感が否めないところもあります。しかし、やりたいことができないということは一切ありませんし、カスタマイズも非常に多岐にわたって可能になっていて、使い心地はとても良いです。フルサイズと比較すると一段落ちる暗所性能もそんなに暗いところで撮ることもないので問題ありません。ボディとレンズ合わせて6.5段という恐るべき手ブレ補正機能があるので、多少シャッタースピードが遅くなってもブレることがないというのは助かります。

期待していたAF性能ももちろんバッチリです。ただ、当初狙ったものにフォーカスを当てることがうまくできず、いちいちタッチスクリーンで対象を選択していたのですが、それもスポット1点AF、サーボAF、トラッキング有効にすることで、シャッターボタン半押しで対象を選んだあとで自分が移動しても構図を変えてもそのままフォーカスを合わせてくれるようになり、思いのままに撮ることができるようになりました。撮像面のほぼ全面で測距が可能なのは素晴らしいです。

また思っていた以上に良かったのがスマートフォン連携機能です。iOSでもAndroidでもCamera ConnectというアプリでBluetoothとWi-Fiの組み合わせで接続して画像の取り込みやリモート撮影などができるのですが、Bluetoothで常時接続しておくことでスマートフォンのGPSで取得した位置情報を撮影データに埋め込むことができるというのがなかなか便利です。私は今まで現像時にLightroomで設定していたので、この手間が不要になるというのは助かります。また地味なところではいちいちダウンロードしたデータをSDカードにコピーしなくても、スマートフォンだけでファームウェアのアップデートができるというのも手軽でいいと思います。

他にもメカシャッターで秒間15コマ、電子シャッターでは秒間30コマという動画同等の連写性能や、4K動画撮影など私には使い切れない高性能機なのが本当に猫に小判的なところがあり申し訳ないくらいですが、とても満足して使っています。実は購入直後にフルサイズの中級機R8が発表されて一瞬がっかりしてしまったのですが、きっと私にはこちらのほうが向いているはずです。ということにしておきましょう。