TikTokが中国政府に情報を流しているとして国防上の懸念から、アメリカ国内の事業を6ヶ月以内に中国と無関係な企業に売却するか、さもなければ事業を禁止する、という「TikTok禁止法案」がアメリカ連邦議会下院で352対65で可決されました。法案成立のためにはこのあと上院で可決される必要がありますが、こちらはどうやら否決されるのではないかという見通しのようです。

これに対して中国外務省は「いじめ」だというコメントを出しているようですが、私の目から見てもいくら国防上の理由とはいえ、ここまで特定の企業を槍玉に挙げるというのは行き過ぎのような気がしてしまいます。過去の似た例としてはファーウェイなど中国企業5社からの政府調達を禁止したということがありますが、これはあくまで政府調達に限った話なのでまだ理解できないこともありません。

しかしながら、ここまでアメリカが神経をとがらせているということは、中国政府による盗聴などの行為が実際に行われているということなのでしょう。私自身としては特に中国政府に知られて困るようなことも、後ろめたいこともないので直接的な害はありませんが、政府関係者や企業機密に関わるような人たちは無関係とも言っていられないのではないでしょうか。

TikTok自体については私は年を取りすぎたのか面白さがわからないというか、スピード感についていけないというか、落ち着きがなくて見ていられないのでほとんど利用していません。なのでこの法案が成立したとしても特に困りはしないのですが、アメリカでは別企業が運営する、となればアメリカだけ切り離されることになるのでしょうから、そうなると衰退は免れないでしょうね。運営元のByteDanceとしては必死で、法定論争も辞さない、というのはそれはそうでしょうね。