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映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?

映画適正価格はいくらくらい?

現在、日本で映画を観ると1800円かかります。どの作品をどの映画館で見ても普通の席であれば割引がないとこの値段です。もう永らくこういう状態が続いているので、多くの人がこれが当たり前のように感じてしまっているのではないかと思いますが、統一価格のようになっているのはおかしなことです。本やCDなどは再販制度で保護されているのでどこで買っても同じ値段ですが、それ以外のものは独占禁止法で価格カルテルが禁止されているはずです。それなのになぜそんなことがまかり通っているのでしょうか。

また、1800円という金額についてはどうなのでしょうか。その金額が対価として妥当なのかどうかを観客一人ひとりがどう感じるか、まさに人それぞれだろうと思いますが、安いと思っている人は殆どいないでしょう。映画を観る多くの人が、少なくとも「もう少し安ければいいのに」と思っているのではないでしょうか。そして「映画は好きだけども映画館は高いからDVDでしか観ない」という人も少なくないはずです。それなのになぜこんな値段になってしまっているのでしょうか。

ここ数年映画館に通うようになった私も、20代の頃はめったに映画館に行くことがありませんでした。そして、若干経済的な余裕ができてきて映画館で楽しむようになったのですが、もっと安い方がいいと思うのは変わりませんし、どんな酷い映画館で駄作を見せられた時でも同じ値段というのは到底納得できません。そんな思いでいたところに、このあたりのことを説明してくれそうな「映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?」という本を見つけたので読んでみました。

映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?
著:斉藤 守彦
ダイヤモンド社 (2009/11/28)
ISBN/ASIN:4478011346

この本を読むことで前記の疑問が解けただけでなく、いくつかの興味深いことがわかりました。映画館の入場料のうち、配給元に支払われる金額は固定なのだろうと思っていたのですが、実は入場料に対して比例配分されるのだそうです。つまり、何らかの割引料金が適用された場合、映画館側だけがその割引分をかぶるわけではなく、同じ割引率で配給元も分担することになるということです。

また、入場料の定価は1800円となっていますが、2008年の平均入場料金はなんと1214円でしかないのだそうです。これには子供料金も含まれているのだと思いますが、学生や高齢者の割引、毎月1日の映画の日、毎週水曜日のレディースデイ、毎日21時以降のレイトショー、その他様々な条件で適用される割引によって、多くの人が定価よりも安価に映画を観ているのです。1800円で観ている人は全体のわずか18%でしかないとなると、この1800円というのは一体何の価格なのかということになってきます。

流石に2000円の大台に乗ってしまうとなるとインパクトが大きいので、これ以上の単純な値上げには業界側も慎重なようですが、最近勢いのある3D映画では300円の上乗せが行われており、これはこのまま定着してしまいそうです。3D化には設備投資も必要ですし、観客にとっても付加価値があるので何となく受け入れられていますが、なんとか入場料単価を上げて収益を良くしようというのでは、観客は減る一方でしょう。

平均入場料金が1200円ちょっとだというのであれば、例えば標準料金を1400円程度に下げてしまうというのはどうでしょう。料金が安くなれば映画を観る人の数自体が増えるでしょうし、例えば年間4回観ていた人が6回くらい観るようになるかもしれません。それだけでなく、定価1800円が1200円になるからと眠い目をこすりつつレイトショーで観る私のような人が、わずか200円程度の差なら、と昼間に観るようになるということもあるのではないでしょうか。そうすると、実は値下げをすることで平均は逆に上がる、というようなことがないとは言えません。まあこんなのは素人の浅知恵でしかなく、実際にはそこまでうまくは行かないかもしれませんが、供給過剰気味のスクリーンがまた賑やかになるのは間違いないのではないでしょうか。500円にしろとまでは言えませんが、やはりどう考えても1800円は高いでしょう。

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