小飼弾これが氏の言うクソ本でないといいのですが。

最近は著名ブロガーの一人としてブログ界隈で知られている小飼弾氏ですが、多くの人にとっては「サンデー・ジャポンホリエモンの友人として出ていた変わった人」という程度にしか知られていないかもしれません。しかし、プログラミング言語Perlを使う人にとっては文字コード変換モジュールであるJcode.pmの開発者、Encode.pmのメンテナなどとして知られていた人で、私もこの人がテレビに出てきたのを見たとき「なぜこの人がテレビに!?」と少々困惑してしまったものです。

それはそれとして、この人は大変な読書家でもあり、氏のブログでは書評記事が中心的なコンテンツとなっています。またその書評を読んでそのまま本を購入するという人も多いらしく、アフィリエイト収入は相当な額に上っているようで、さらにここで紹介されることを狙っての献本も多いようですが、1時間に10冊の本を読めるという速読の技術でさばいてしまっているようです。

そんな小飼氏の著書「空気を読むな、本を読め。 – 小飼弾の頭が強くなる読書法」というまさに氏の読書法を主題にした本が昨年出ているのですが、それを読んでみました。

この本の中で小飼氏は

目次や見出しでその内容がわかるノンフィクションは、実にいい本です。

と言っており、目次に内容が要約されているのでまず目次をよく読み、すでに知っている部分は飛ばして差分を読むことで早く読むことができる、と言っているのですが、それもなんだか勿体ないような気がしてしまうのは私の貧乏性のせいなのでしょうか。とにかくたくさんの本を読みたい人はそれでいいのかもしれませんが、知っていると思っていたところにちょっとした違いがあったり、目次に書かれるような主題からそれたところにいいことが書いてあったりするかもしれない、と思ってしまいます。

フィクションについては氏が子供の頃、星新一小松左京筒井康隆の三氏の本はほぼ全て読んだ人のことですが、私もこの三氏、特に筒井康隆氏の本は大好きでほとんど読みましたので、思わぬ共通点を見つけてしまった感じです。この本の巻末には「小飼弾が選ぶ最強の100冊+1」として氏のおすすめの101冊が紹介されているのですが、その中でも筒井氏の「七瀬三部作」が紹介されているのがなんだか嬉しく感じてしまいました。

この本は全部で200ページちょっとのものなのですが、活字が大きめで行間も広く、さらに非常に細かく段落が区切られていて空行が多いので、小飼氏のような速読かでなくてもスイスイ読めてしまうものになっています。私も1時間ほどで全て読み終えてしまいました。結局タイトル通り「本を読め」ということに尽きるので、まあ実際それほど内容のある本でもないかな、という気がしないでもありません。またプレゼン資料にあるような感じの図もいくつも入っているのですが、これは本文に書いてあることを図にしただけですが、図を見ただけではよく分からない中途半端で意味のないものになってしまっています。

そうは言っても、実際本を読むことが大事だというのは私も子供の頃から言われてきたことですし、私も今はその通りだと思い、自分の子供には同じことを言っています。アニメよりはマンガ、マンガよりも活字の方が情報量が少ない分、頭で考えることが必要になりますから、そこで想像力を育て鍛えることができるのではないかと考えています。本を読んで育っていないと、いくら学校の成績が良かったとしても社会に出てから困ることになるのではないかと、役に立つ人になれないのではないかと思っているのですが、実際どうなのか私には断言できません。ただ、想像力のない人に苛立ちを感じることは日々よくあることですが…