Madonna本当はかなり孤独。

先日ライブビデオ「スティッキー&スウィート・ツアー」を観て以来、連日Madonnaの各楽曲がヘビーローテーション状態の私、以前からMadonnaの音楽は好きでよく聴いてはいたものの、実は個人としてのMadonnaについてはあまり良く知りませんでした。また、私自身が洋楽を聴かなくなっていた頃があるので、ベスト盤The Immaculate CollectionからConfessions On A Dance Floorまでの間の曲は後になってから聴いただけで、当時の状況はわかりませんでした。

しかし昨年、今回のライブビデオがリリースされるというのを聞いた頃、いつものように図書館で書架を眺めているときに見つけたのが「マドンナ 永遠の偶像(アイコン)」というハードカバーの分厚い本です。黒い表紙の重厚感のある本を早速借りて読んでみたのですが、なかなか中身も濃い本で2週間の貸出期間の間には読み終えることができず、またこれなら手元においておきたいと思えるものだったので、返却後に購入することにしました。

マドンナ 永遠の偶像(アイコン)
翻訳:宮田 攝子
二見書房 (2008/04/24)
ISBN/ASIN:4576080504

購入したのはもうだいぶ前のことなのですが、その後も図書館から次々新しい本を借りてきてしまうので、買ってしまった本は後回しになってなかなか読むことができません。そんなわけでしばらく私の積ん読本の仲間入りをしてしまっていたのですが、今回ライブビデオを観たのをきっかけに以前借りたときに読んだ続きから読んでみることができ、つい先日ようやく読了しました。

この本ではMadonnaがデトロイトからニューヨークに渡ったデビュー前から、一昨年に発売された最新アルバムHard Candyの製作にとりかかる直前までの約30年間について、Madonnaの周囲の関係者の証言を交えながらどのような道を歩んできたのかが綴られています。その証言というのが必ずしもMadonnaに好意的なものばかりでなく、むしろ批判的な内容のものが多いというのが真実味を感じさせますが、どうしてもネガティブな印象が強くなってしまっているのも事実です。著者としては中立的な態度を取っているのでしょうが、よくある美化されがちな伝記とはちょっと違います。

実際、Madonnaは若い頃に性的暴行の被害にあったり、成功したがゆえに人間関係に苦労する事にもなり、私生活については順調とは言えなかったのでしょう。どうしても周囲には強い態度で接することが多かったようで、必然的に多くの敵も作ってしまったのではないでしょうか。そういう出来事も彼女の音楽には影響を与えているはずで、様々な変遷を経ているのはその時々の状況によるものなのでしょう。

またMadonnaはミュージシャンとしての活動に留まらず、いくつもの映画に出演しています。私はそのどれも観たことがないので、スクリーンでの彼女がどうなのか、演技力がどの程度のものなのかということについてもわかりません。これらの作品はこれから観てみようと思っているところですが、どういう経緯で、どういう心境でそれらの作品に挑んだのかというのは興味深いところでした。

それにしても波乱に富んだ半生を歩んできたMadonnaですが、歳を取ったと言ってもまだまだ現役で、ミュージックシーンの中心にいる人です。さすがにいつまでも今のような若々しさを保っていくことはできないでしょうから、今後どのような歳の取り方をしていくのか気になるものです。といっても歳を取ったなりの色気というものはありますから、そういう方向に進んでもらえればそれでいいのですが、きっとMadonnaなら私の予想のさらに上を行ってくれるに違いありません。