ユニークな製品名で知られる小林製薬が、同社の紅麹原料関連の3製品に健康被害の可能性が疑われることから製品の使用中止と回収を求めています。腎疾患で亡くなった方が生前に同社の紅麹コレステヘルプという製品を使用しており、この製品と死亡の因果関係が疑われる事象が確認されたことから、ということです。

「悪玉コレステロールを下げる、L/H比を下げる」ということを謳った機能性表示食品ということで、健康のためにと利用していたものが原因で死亡してしまうというのは、亡くなったご本人にとっても誰にとっても予想しなかったことのはずです。

また問題はこれだけではなく、この紅麹原料を使用した他の食品も回収を始めているということで、これらの製品については健康被害が確認されているわけではないようなのであくまで念のためということなのではないかと思います。しかし、製品として「紅麹」を表に出していない味噌などについては思いがけず購入している可能性もあるので気をつけなければなりません。

さらにややこしいのはこの小林製薬とは無関係な紅麹については今のところ回収の対象ではないということです。紅麹そのものに原因があるのか、あるいは製造上の問題や混入する不純物が原因なのかが不明なので本当に小林製薬以外は大丈夫なのかもわかりませんが、現時点では風評被害に近い状態のようです。

しかし今回調べてみると、2014年の時点で食品安全委員会から注意喚起がなされており、ヨーロッパでは注意喚起ないし販売禁止となっているようです。この状態からどういう経緯で現在の状況に至ったのかわかりませんが、麹というのはカビの一種なので、伝統的な米麹などはさすがに問題ないでしょうが、新しいものについてはもっと慎重にならなければならないということかもしれません。