結構死にます。
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日米同時公開だったためか、Brad Pittの主演なのに公開がかなり近づくまでほとんど情報がなかった映画「アド・アストラ」、映画館での予告やテレビでの宣伝を見ると私好みのような気がしたので観る気になっていたのですが、どうも次男も興味を持ったようだったので半ば強引に二人で観に行ってきました。

この作品の舞台はそう遠くない未来ということになっていますが、地上から成層圏辺りまで達するようなアンテナが立っていたり、太陽系内はそれほど難なく行き来できるような状況になっていたり、技術的にはだいぶ進歩しているような世界です。ただ、月へ行く民間機も数人しか乗れないロケットなので、スター・トレックほど進んだ世界でもなく、だいぶ現実的な気がします。

Brad演じる主人公のRoy McBrideはアメリカの宇宙軍U.S. SpaceComに所属する宇宙飛行士ですが、ある時世界各地を大規模な電流サージが襲い、その直後に出頭を求められてある任務を告げられます。その任務というのが、地球外生命体の探査のため太陽系外へ向けて16年前に地球を発ったRoyの父親Clifford McBrideに関するもので、Royは火星の基地へと向かうことになります。しかしそこでRoyには隠されていた情報を知ることになり…というような感じです。

しかしこの作品、SFとしては色々と腑に落ちないところがあり、舞台をSFに借りた哲学的作品なのではないかと思いました。高校生の次男にも難しかったようで、終わったときにも微妙な反応でした。なかなか深い作品で、いい作品ではあっても面白いというものではないように思います。しかし、Bradの静かで落ち着いた演技はこれまでにないものではないでしょうか。むしろBradのこの演技がこの作品の全てと言ってもいいかもしれません。一方Royの妻Eve役ではLiv Tylerが出演しているのですが、重要な役柄ではあるものの出演シーンはかなり少なく、Livほどの人を使うのがもったいないような気がしてしまいました。

なお作品冒頭で明かされる通り、タイトルの”ad astra”とはラテン語“to the stars”の意味ですが、こうしてラテン語を使うという時点で小難しさを作り出しているのではないでしょうか。日本語で言えば漢語を使うようなものかと思いますが、ラテン語なんて日本人にはさらに馴染みがないので何の映画なのかさっぱりわかりませんね。まあポスターを見れば宇宙ものだということは一目瞭然ですが。