共学への憧れ…
小説や漫画でヒットしたものを映画化するというのはよくあることですが、その際に大きな障壁となるのが2つ以上の時代をまたぐ場合の処理でしょう。今回観た「潔く柔く」も同名の漫画作品の最終章カンナ編を映画化したものとのことですが、その作品の設定上この問題は避けて通ることができなかったのでした。
この映画は2013年の作品ということですから、撮影当時すでに長澤まさみも25歳だったはずですが、本作では高校生時代の主人公らも描かねばならず、そこで役者本人らを使わないわけにもいかない微妙に近い過去の話なので、女子高生役の長澤まさみを見ることができます。25歳で高校1年生の15歳の役を演じるというのはちょっと考えただけでも無理があるように思えますが、そこはさすが女優・長澤まさみですから、あどけない笑顔を作ったりしてそれほどの違和感は感じさせません。とはいえ、こんな落ち着きのある高校生がいたらクラスでもちょっと浮いてしまうでしょうが、どうせこんな美人がクラスにいたらやっぱり浮くので同じことですね。年齢的なところは現代なら金さえかければCGでなんとでもなりそうな気がしますが、それは女性としてのプライドが許さないかもしれません。
ということで、Amazon Prime Videoに最近入ってきたらしいこの作品を見つけて早速観てみたのですが、私にとっては長澤まさみが主演しているというだけで観る価値があります。ただ、一般の方が観てどう感じるでしょうか。
長澤まさみが演じる主人公の瀬戸カンナは高校生時代にトラウマとなる出来事があって、恋をすることができずにいます。そしてあまり良い出会い方をしなかった岡田将生演じる赤沢禄もまた幼少時代の心の傷を抱えており、そういう二人がそれぞれの過去を乗り越え…というような話ですが、まあ当然ですが最終的にはハッピーエンドとなります。
本作ではロケ地が広島県、愛媛県、そして神戸市と西日本に寄っていて、鞆の浦をはじめ私が見たことのある景色がいくつか出てきたのも楽しかったところです。なんでもない路地のカットでも「あそこだ!」とわかるものですね。逆に、今まで行ったことがないところでもロケ地を巡ってみてから改めて映画を観てみると、自分がその世界に行ってきたかのように感じられて楽しいでしょうね。それがいわゆる「聖地巡礼」の楽しみなのかもしれません。
ということで作品についてほとんど何も語っていませんが、一つだけ。自転車に乗りながら携帯電話を弄るのはやめましょう。