Archives

アフタースクール

スッキリしましょう。

私が聴いているポッドキャストの一つ、backspace.fmの第272回で人気ブログ「カイ士伝」の甲斐氏が映画「カメラを止めるな!」の話をしていたときに、「カメ止め」が好きな人ならきっと好きなはず、と「アフタースクール」という映画を紹介していました。ちょうど今ならAmazon Prime Videoで観られるということなので、早速私もこの週末に観てみることにしたのですが、なるほどこれは非常に面白い映画でした。

映画「アフタースクール」【TBSオンデマンド】

posted with amazlet at 18.12.15

(2016-07-15)売り上げランキング: 142,758

Amazon.co.jpで詳細を見る

内容については一切知らずに観た方が絶対に楽しめるので私も書きませんが、この作品は公開からすでに10年が経過しています。こんな面白い作品がどうしてそんなふうに埋もれてしまっていたのか…とも思いましたが、私がほとんど邦画を観ないせいで知らなかっただけなのでしょうか。

「カメ止め」の面白さの一つは伏線がきれいに回収されていくというところにありますが、この作品も同じです。「一体どうなっているんだろう」「ちょっと変だな」「なんだか微妙に強調されているな」と引っかかったところにはそれぞれちゃんと意味があり、それが終盤の種明かしでスッキリ解決するという仕掛けになっています。またタイプはだいぶ異なりますが、観客が最初に考える設定と映画内の事実は全く違うというのも「カメ止め」と共通していて、それも非常に面白いところです。

主要登場人物を大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人、常盤貴子といった私でも知っているような俳優が演じているというのは「カメ止め」とは全く異なるところですが、実力のある役者の演技によって一層見せるものになっているのは間違いありません。もしも「カメ止め」のリメイクが、例えばハリウッドであったなら、それはやはりすごいものになるのではないかと思われますが、無名の監督と俳優が作り上げた「カメ止め」にもそれだからこその良さもあるので、どちらが良いというものでもないでしょうし、あのスタッフとキャストでなければあのようなムーブメントにはならなかったでしょう。

しかしやはり私は伏線回収系の最高傑作は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」だと思っていて、つい先日もまたシリーズを通して見直してしまいました。中でも第1作がやはり最高で、特にこれは何度も観ているのですが、久しぶりに見た2と3も思ったより面白くて再評価しているところです…と違う映画の話になってしまいましたが、「アフタースクール」もとても面白かったので、Amazon Primeのメンバーの方はぜひ今のうちに。

カメラを止めるな!

よろしくで〜す。

製作費たったの300万円でもこんなに面白い映画は作れる、と巷で話題沸騰の映画「カメラを止めるな!」です。

東京のたった2館から始まって全国に次々と拡大し、現在公式ページの劇場一覧にはこれからというところを含め数多くの劇場が掲載されていますが、我が町姫路でも今週末から公開されることになりました。一週間前の先週金曜日深夜12時に予約開始ということだったので、いつもはとっくに寝ている時間まで頑張って起きて、1分以内に予約を完了しました。とはいえ、何日かあとに予約状況を見てみたところではそんなに慌てる必要はなかったようですが、まあ気持ちの表明ということで、それはそれでいいのです。

ということで初日の昨日、6時半からの回で観てきましたが、期待していた以上に面白かったです。極力何も知らずに観た方が楽しめるということだったので、ほとんど下調べをせずに臨みましたが、なるほど面白いというのはこういうことか、と納得です。したがって、普段も映画の話を書くときはできるだけネタバレにならないように努めている私ですが、今回はどんな些細なことでも影響してしまいそうなので、これから観ようと思っている人はこれ以上は読まない方が良いのではないかと思います。

もちろんストーリーについてなど書くことはできませんが、公式ページから引用すると以下のような話です。

とある自主映画の撮影隊が山奥の廃墟でゾンビ映画を撮影していた。​本物を求める監督は中々OKを出さずテイクは42テイクに達する。そんな中、撮影隊に 本物のゾンビが襲いかかる!​ 大喜びで撮影を続ける監督、次々とゾンビ化していく撮影隊の面々。
“37分ワンシーン・ワンカットで描くノンストップ・ゾンビサバイバル!”

この37分ワンカットという、いわゆる長回しも見所の一つでしょうが、本作の面白さとは関係無いようで大いに関係がありますね。ちょっと退屈しそうになるところもあるけれど、それにも意味があるので最初の37分はとにかく集中して観ましょう。注意力があるかどうかでどれだけ楽しめるかどうかが変わると言って良いのではないでしょうか。なんだか意味のわからない動きをする人にも、ちゃんと理由があります。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の伏線を回収していくのが気持ちいいという人には絶対に楽しめるでしょう。

本作はまたエンドロールが面白くて、映像に見入ってしまうのでキャストやスタッフにはぜんぜん目が行きません。これはどうなのかとも思いますが、これも重要な一場面とも言えますし、かと言って本編には入れようがないので仕方ないでしょう。エンディングテーマ曲「Keep Rolling」はJackson 5の”I Want You Back“をモチーフ、というかほとんどそのままなのにメロディ自体は違うからOK、というなんだかギリギリの曲ですが、確かに著作権的には問題なさそうです。でもメロディは違うのに同じようにしか聞こえないという原曲もすごいですね。

Keep Rolling (映画『カメラを止めるな!』主題歌) [feat. 山本真由美]

posted with amazlet at 18.08.25

kenson Records (2018-07-06)売り上げランキング: 71

Amazon.co.jpで詳細を見る

「シン・ゴジラ」が面白いと言って騒いでいた連中がまた騒いでいるだけ、と揶揄する人も某所にはいましたが、実際これは理屈抜きに面白い映画でしょう。映画の面白さを再認識させてくれるとも言えます。製作費や出演者の豪華さというものが作品自体の面白さとは直接関係ないということも明らかにしてくれました。私はこの記事を書きながらもう一度観たいという気持ちがふつふつと湧いてきてしまったので、できればこの週末のうちに観て隅々まで確認したいと思います。

…といっているうちに気持ちが高まってしまい、2回目を観てきてしまいました。パンフレットを買うということも忘れていたので、そのついでというかなんというか。2回目は2回目で楽しみ方が違ってやっぱり面白かったです。

シン・ゴジラ

大人向けです。

日本人の平均より映画館に足を運んでいると思う私ですが、もっぱら観るのはいわゆる洋画、ハリウッド作品がほとんどで、邦画を観ることはほとんどありません。それは別に邦画を見下しているというようなわけではなく、変に身近に感じてしまって現実とのズレを感じてしまうとか、画面のこちら側、つまりカメラの後ろがどうなっているかが想像されてしまうからとかいうようなことではないかと思っています。また、市場の大きさがまったく違うために製作予算もまさしく桁違いであり、邦画の場合にはたまに粗が見えてしまうということもあるかもしれません。とはいえ、近年のCG技術の進歩に伴う低コスト化のおかげで、予算の違いによる映像への影響はそれほど明らかなものではなくなってきているのではないでしょうか。

それはともかく、ゴジラシリーズの29作目となる「シン・ゴジラ」にももともとほとんど関心がなかったのですが、まず予告を見て「ちょっと面白いかもしれない」と興味を持ち、そして公開されてからのSNS等での評判を見ているととても良さそうに感じたので、たまには邦画もいいかもしれないと観てみることにしました。なお、先日「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」を一緒に観たMarvel好きのO君がこれから観たい映画としてこの作品を挙げていたのでもう観たかどうかを聞いてみたところ、彼もまだだということだったので昨日の仕事の後に二人で行ってきました。

SNSでの雰囲気から、予備知識は持たない方が楽しめそうだったので私もあえて何も調べずに臨みましたが、知っていても困らない情報としては「これは怪獣映画ではなく政治ドラマである」ということが言えると思います。怪獣映画を期待して観に行くと後悔する可能性がありますが、現実にゴジラが生まれ、東京に上陸したとしたら日本政府はどう対応するだろうか、日本の社会がどうなるだろうか、ということをリアルに描き出そうとした作品である、というのが面白さをスポイルしない範囲で言えることでしょう。まあ「東京に上陸」というのはネタバレかもしれませんが、それはお約束なのでいいですよね。

作品自体はとても面白かったのですが、ちょっと気になってしまったのは石原さとみ演じるKayoko Ann Pattersonというのが日系3世のアメリカ人という設定なのですが、カタカナ語を英語の発音にしてそれっぽくしてはいるものの、やはり英語のセリフには無理があってどう聞いても日本人の英語なのです。むしろ総理大臣とアメリカ大統領とのホットラインで通訳をする官僚役の人の発音の方が上手くて、少々残念でした。美貌と演技力と英語力とを併せ持つという人はなかなかいないのかもしれませんが、今後もこういう役が度々あるとすれば、俳優も英語力で仕事がもらえるようになったりはしないのでしょうかね。普通の人は気にしないので無理でしょうか。

ゴジラといえば2014年のハリウッド2作目「ゴジラ」と、その後にシリーズの原点である1954年版「ゴジラ」も観ましたが、この作品はそのどちらともかなり異なるものになっていました。そして、これらの中では今回の「シン・ゴジラ」が一番好みだったと思います。ハリウッド版もあれはあれでハリウッドが作るとこうなる、ということでは素晴らしかったと思うのですが、やはり餅は餅屋ということでしょうか。ちなみに今回の作品は「円谷英二の生まれなかった世界」だそうで、怪獣という言葉は使われずに「巨大不明生物」と呼ばれていますが、これは製作時に実際の官僚が発言した言葉から取られたとのことです。こういうところからもリアリティが深まっているのでしょうね。