山に行きたくなります。
🧗🏻‍♀️

先日観た「ロボコン」での初主演以来、長澤まさみにとっては小栗旬との共演はおなじみのものではないかと思いますが、今回観た「岳 -ガク-」も主演が小栗旬、その次に長澤まさみという配役の作品でした。

岳 -ガク-
岳 -ガク-

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(2013-11-26)
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この作品は「岳 みんなの山」という石塚真一による漫画作品を原作としたものですが、原作者の石塚氏はアメリカの大学に在学中にロッククライミングの魅力に取りつかれ、帰国後に漫画を書き始めたということで、まず先に山に対する思いがあってのマンガのようです。映画はこの物語の前半部分をもとにしたものとなっているとのことです。

小栗旬演じる主人公の島崎三歩は世界中の山々を制覇した経験を持ち、北アルプス山岳救助ボランティアとして活動しながら山で暮らすという、仙人のような人物です。本職の長野県警救助隊がたどり着けないような吹雪の中でも要請に応じて救助に駆けつけるという超人です。これはあくまでファンタジーなのだと思っておいた方がいいでしょうね。長澤まさみが演じるのは救助隊に配属された長野県警の巡査椎名久美で、三歩に指導を受けることになるものの、雪山の本当の恐怖にさらされることになります。

私はハイキング程度にしか山に登ったことがありませんが、雪山の恐ろしさというのはなんとなく話に聞いているだけで、素人が挑んではいけないものという程度の認識でした。しかし、本作に描かれているのはそんな中途半端なものではなく、ベテランやプロでも命を賭けて臨まなければいけない、ときに真の恐怖となるものでした。しかし、その優しい面を見せているときには素晴らしい美しさなので、それに挑む人が後を絶たないということなのでしょう。この作品では、命をそんな危険に晒すことなく山の魅力を楽しむこともできるので、きっとこれを観て山に登ってみたくなるような人は私だけではないでしょう。

ちなみに私の次男は高校の山岳部に所属しているのですが、2017年の那須での雪崩事故があって以来、冬山登山の行事は無くなってしまったとのことです。この事故でも生徒・教員らに8名の死者を出しているということであり、やはり冬山は危険と隣り合わせであるということですから、それまでが良く無事であったというように思わざるを得ません。文科省としては高校生等の冬山・春山登山の事故防止のための有識者会議の名義で原則禁止という通達(PDF)を出しているようですが、自分の子供を送り出すとなったら心配も尽きなかったでしょうから、この判断は賢明であると思います。しかしこれはいわゆる登山に限らず、スキーやスノーボードでも同様で、安易にバックカントリーに入るべきではありませんね。