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Ad Astra

結構死にます。
🚀

日米同時公開だったためか、Brad Pittの主演なのに公開がかなり近づくまでほとんど情報がなかった映画「アド・アストラ」、映画館での予告やテレビでの宣伝を見ると私好みのような気がしたので観る気になっていたのですが、どうも次男も興味を持ったようだったので半ば強引に二人で観に行ってきました。

この作品の舞台はそう遠くない未来ということになっていますが、地上から成層圏辺りまで達するようなアンテナが立っていたり、太陽系内はそれほど難なく行き来できるような状況になっていたり、技術的にはだいぶ進歩しているような世界です。ただ、月へ行く民間機も数人しか乗れないロケットなので、スター・トレックほど進んだ世界でもなく、だいぶ現実的な気がします。

Brad演じる主人公のRoy McBrideはアメリカの宇宙軍U.S. SpaceComに所属する宇宙飛行士ですが、ある時世界各地を大規模な電流サージが襲い、その直後に出頭を求められてある任務を告げられます。その任務というのが、地球外生命体の探査のため太陽系外へ向けて16年前に地球を発ったRoyの父親Clifford McBrideに関するもので、Royは火星の基地へと向かうことになります。しかしそこでRoyには隠されていた情報を知ることになり…というような感じです。

しかしこの作品、SFとしては色々と腑に落ちないところがあり、舞台をSFに借りた哲学的作品なのではないかと思いました。高校生の次男にも難しかったようで、終わったときにも微妙な反応でした。なかなか深い作品で、いい作品ではあっても面白いというものではないように思います。しかし、Bradの静かで落ち着いた演技はこれまでにないものではないでしょうか。むしろBradのこの演技がこの作品の全てと言ってもいいかもしれません。一方Royの妻Eve役ではLiv Tylerが出演しているのですが、重要な役柄ではあるものの出演シーンはかなり少なく、Livほどの人を使うのがもったいないような気がしてしまいました。

なお作品冒頭で明かされる通り、タイトルの”ad astra”とはラテン語“to the stars”の意味ですが、こうしてラテン語を使うという時点で小難しさを作り出しているのではないでしょうか。日本語で言えば漢語を使うようなものかと思いますが、ラテン語なんて日本人にはさらに馴染みがないので何の映画なのかさっぱりわかりませんね。まあポスターを見れば宇宙ものだということは一目瞭然ですが。

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Once Upon a Time in Hollywood

古き佳き時代。
🚬

Sharon Tateという女優と、そのSharonがManson Familyというカルト集団に惨殺されてしまった事件というのは日本ではどの程度知られているのでしょうか。事件が起こったのが今からちょうど50年前の1969年という私が生まれる直前であることもあり、私は何一つ知らなかったのですが、現代のようにインターネットで世界中の情報がリアルタイムに得られるような環境ではありませんでしたし、わたしの両親の世代であれば知っていることなのでしょうか。Sharon Tateについても26歳という若さで、これからというところで亡くなってしまったため、この事件を知らなければ知られていないのではないかと思いますが、映画監督Roman Polanskiの当時のだったとのことです。

というようなことなのですが、この事件を背景とし、SharonやRoman Polanskiも登場するQuentin Tarantino監督の作品「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」が昨日封切られたため、初日のレイトショーで早速観てきました。この日は夏休み最後の週末であったためか、それとも地元の姫路城が舞台となっている「引っ越し大名!」の公開初日だったためか、普段はレイトショーならガラガラの映画館の駐車場に長蛇の列ができていて、並んでいては開演に間に合わないようだったので仕方なく近隣のコインパーキングに停めざるを得ないという状況でした。そうとわかっていれば徒歩かバスかで行ったのですが仕方ありません。

それはさておき、本作ではピークを過ぎてやや落ち目の、かつてのテレビスター俳優Rick Daltonと、スタントダブルと友人としてRickを公私ともに支えるCliff Boothという二人を主人公としてハリウッドを舞台に起こる出来事を描いた話となっています。主人公らはそれぞれLeonardo DiCaprioBrad Pittという現代の映画スターが存在感たっぷりに演じており、特にLeoの劇中劇の演技にまで魅せられてしまうほどです。そしてSharon Tateを演じるのは「スーサイド・スクワッド」でのHarley Quinnがとても良かったMargot Robbieです。本作中のSharonはちょっと頭が足りない感じに描かれているように感じましたが、超ミニスカートで闊歩する姿はとてもキュートでした。

本作の論評を見ると「ストーリーがない」というようなことを言う人が多いようなのですが、確かにカット間の関係が非常に希薄で、一見不要なシーンが多々あり、一体どういう話なのか、どこへ向かっているのかということはわかりにくいかもしれません。しかし私が驚嘆したのは、それぞれのなんでもないカットが非常にかっこよく撮られているということで、おそらく様々な定石を踏まえて、巧妙に計算し尽くされているということなのでしょう。本当にただの移動シーンでも「うわっ」と思うようなカッコ良さで、映画オタクのTarantino監督ならではではないでしょうか。

なおTarantinoといえば過剰なバイオレンス描写も特徴ですが、それも最後にしっかりあります。なにしろ「シャロン・テート殺害事件」がテーマですから…

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World War Z

World War Z: Brad Pitt as Gerry Laneグロさはなくても恐ろしい。

映画のテーマとしてゾンビがよく取り上げられるのはナゼなのでしょうか。死体が動き出して生きた人々を襲い、ゾンビに噛まれると噛まれた人もまたゾンビになってしまう、というのがだいたい最近の決まり事になっていますが、そんな恐ろしい存在なのにホラー映画ばかりでなく先日観た「ウォーム・ボディーズ」のようにゾンビを対象にしたラブコメディまでできてしまうのにはちょっと驚きます。死体が動く、ということでリアルに描こうとするとどうしても気持ち悪さが先立つものですが、今回観た「ワールド・ウォーZ」はPG-13という低いレーティングになっているのでグロテスクな描写は一切なく、ゾンビに襲われるというミクロな恐怖よりも人類が滅亡の危機に瀕するというマクロな恐怖感を掻き立てられるものになっていました。

舞台は現代のアメリカを中心とした世界各地、Brad Pittが演じる主人公のGerry Laneがフィラデルフィアで家族とともに車で渋滞に巻き込まれていると、突然前方でパニックが巻き起こります。Gerryはこの瞬間初めてゾンビ的なものの存在を知ることになり、家族を連れて必死の逃避行を始めることになりますが、元国連調査員だったGerryは元同僚に請われて、家族の身柄の安全と引き換えにゾンビを食い止めるための調査に協力することになる、というような話です。
World War Z
この映画に登場するゾンビの最大の特徴は、とにかく素早いということでしょう。動作は非常に機敏で、力も生きている時と同等以上にあるのではないかと思われます。また人間が感染してからゾンビ化するまでの時間も非常に早く、襲われたそばからゾンビ化していくので、都市などで人が集まっている所ではあっという間に壊滅的な状況になってしまうようです。また予告でも非常に印象的でしたが、蟻の大群のように押し寄せたゾンビが折り重なるようにして高い塀を乗り越えてしまうシーンなどはこれまでのゾンビ映画にはなかった表現ではないでしょうか。

そもそもウィルスなどにより「死んだ」人間が動きまわり生きた人を襲うようになるという事自体が荒唐無稽とも思われるのですが、昨今の鳥インフルエンザのアジアでの流行など、新しい病気のパンデミックに対する恐怖もあり、これに似たものによって同じような状況になってしまうということがないとは言えず、この映画のリアリティを補強しているとも言えるのではないでしょうか。

この作品はMax Brooksによる同名の著作を原作として作られたものですが、この本で中心的に描かれているのはこの映画でのゾンビとの戦いである「ゾンビ対戦」の後の話であり、もともとこの映画自体も3部作として企画されていたものらしく、公開以来の好評により続編に着手したとのことです。この作品では2億ドルという高額の制作費がかかってしまったようですが、それに見合った利益が上げられそうだと判断されたということですね。実際私も良くできた映画だと思いますので、「ゾンビなんて…」という人も観れば楽しめるのではないでしょうか。

WORLD WAR Z
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