Sheryl Crowこんなにオイシイ出張があっていいものなのでしょうか…

皆さんはSheryl Crowのライブを3mの至近距離で観たことがありますか?いわゆる外タレのライブというとステージは客席からかなり奥まったところになってしまうことが多いので、きっと「ある」という人は日本にはほとんどいないでしょうね。しかし私は今日つい先ほど、Universal Orlandoの中にあるHard Rock Caféで行われた貸し切りイベントで、ステージ目の前のフロアでそれを体験してきてしまいました。

先日から出張でフロリダに来ているのは、昨年に引き続きFreescale Technology Forum(FTF)というイベントに参加するためなのですが、この手のイベントにつきものなのがイブニングパーティというものです。しかし普通はホテルの宴会場のようなところで立食パーティというようなところなのではないかと思いますが、このFTFでは例年Hard Rock Caféを借り切ってアーティストを呼び、ライブを行っているというところがちょっと違うのです。昨年3 Doors Downというバンドだったのですが、私は全く知らなかったこともあって一人で寂しく過ごす自信がなく参加しなかったのでした。しかしそれが今年は何とあのSheryl Crowということですから、たとえ独りぼっちでも、何を差し置いても行かないわけにはいきません。

というわけで大掛かりにも20台ほどのバスに分乗してHard Rock Caféに移動したわけですが、最初はやはり一人でテーブルについてライブの開始を待ってのんびり食べていたところ、Juan & Maria Rodriguezというメキシコ系の陽気な夫婦が相席を求めてきてくれて、いろいろ話をしながら過ごすことができました。「Sheryl Crowって知ってるのか?」と聞くので「彼女の歌は大好きなんだ」と答えると、「俺は知らないけど。実は仕事よりもこっちがメインじゃないのか?」なんて言われましたが、ゲストがSheryl Crowだと知ったのは申し込んでからしばらく経ったつい最近のことなので、そんなことはありません。まあ、「間違いない」と答えはしましたが。ちなみにこの夫婦、22歳を筆頭に4歳までの3人の子供がいて妹のところに預けて2人で来たということなのですが、Mariaはとてもそんな子供がいる歳には見えないし、いい歳してイチャイチャしているので目のやり場に困ってしまいました。

それはともかくSherylのステージですが、先日のCKBなんて目じゃないほど近くでのスタンディングで見ることができたのは何と幸せなことだったかと思います。日本ではおそらく3万円でもきかないくらいだと思いますが、それがタダ、というか会社の金ですからね…隠しているわけではありませんが、バレたら何を言われることかという感じです。

すぐ近くで見るSherylは凄く細くて綺麗で、遅咲きだった彼女に勝手に抱いていたイメージとは全く違う人でした。しかし演奏が始まるとパワフルでもの凄くアグレッシブなステージで、それは期待した通りのものです。日本だとSheryl Crowほどの大物になると雲の上の存在のように感じてしまうところですが、こちらでは観客の側も妙に構えることがないせいか、気持ちの上での距離感もあまりなく素晴らしいものだったと思います。ただ、ファンでもないのに参加している人が多いので、ステージ前でビールの乾杯をしたりというのはくだけ過ぎだろうとは思いましたが…

また普通はカメラでの撮影などは厳禁で、勝手に撮ろうものならつまみ出されてしまうのが当然かと思いますが、イベントの性格上そういうわけにもいかないのか「フラッシュはやめてね」というくらいでSherylが「さあみんなケータイを掲げて〜!」なんていうほど自由でした。一応「カメラは持っていかないように」と事前に言われていたので私は置いて行ったのですが、カメラを持参していたJuanがあとで送ってくれると言ってくれたので、私は脳裏に焼き付けておくことにしました。

結局1時間半ほどのステージは新旧織り交ぜて歌いっぱなしの非常に濃いものだったのですが、特にアンコール前の一番盛り上がる時に私の大好きな”Everyday Is a Winding Road“を歌ってくれたのが嬉しかったです。また、”All I Wanna Do“の冒頭、”This is L.A.”のところを”This is Orlando.”なんて歌うのはベタですがライブにいるんだと実感できていいですね。

そんなこんなで実に堪能してしまったわけですが、ライブが終わったのは夜中の11時だというのに、Universalの中はまだ煌々と電気がついて盛り上がっているのには驚きました。リゾート地なのでいかに治安がいいとはいえ、自転車で真っ暗な道路を走っている夫婦などもいて、アメリカにも色々なところがあるんだなと不思議な感じでした。逆にこういうところがアメリカらしいところなのかもしれませんが、やっぱりこの国を理解することはなかなかできなさそうです。