Ocean's Thirteenちょっとおふざけが過ぎるような気もしないではありませんが。

私生活でも仲が良いらしいGeorge ClooneyBrad PittMatt Damonらが中心となって豪華ハリウッドスターを集めて作られている「オーシャンズ」シリーズは、その絢爛たるキャストとスタイリッシュな映像、痛快なアクションとコミカルな演技というまさにハリウッドならではの娯楽映画なのですが、そのシリーズ最新作にして最終作という「オーシャンズ13」が昨年8月の公開からわずか半年足らずでTSUTAYAの準新作扱いとなり、半額クーポンの対象となってしまったので早速観てみました。劇場公開時に観てもいいかなと思うくらいに気に入っているシリーズなのですが、当時別の映画の方がさらに楽しみだったので仕方ありません。

オーシャンズ13 特別版(2枚組)
監督:スティーブン・ソダーバーグ
ワーナー・ホーム・ビデオ (2007/12/19)
ISBN/ASIN:B000XCN7LY

2001年に公開されたシリーズ1作目の「オーシャンズ11」は、1960年のFrank Sinatra主演「オーシャンと十一人の仲間」のリメイクだったわけですが、この作品のヒットに気をよくして作られた続編もまずまず成功、というわけで作られたこの3作目がどうだったかというと、正直なところ「そろそろやめた方がいいかな」というような感じです。まあ面白くないというわけではないのですが、充実していた1作目からすると何となく雑な作りになってしまっているような印象があり、目新しさが必要なので前作以上に派手にならざるを得ないシリーズものの宿命のようなものなのかもしれません。

とネガティブな感想を述べておいてから紹介するのもなんですが、この作品も豪華キャストは相変わらずで、今回はさらにAl Pacinoという大御所が敵役として加わっており、存在感たっぷりに演じています。といいながら実はAl演じるWilly Bankの右腕のAbigail Sponder役を演じるEllen Barkinの方がさらに目立っていて、1954年生まれということは…というのを全く感じさせず、まさに「怪演」というのはこういうことかという感じです。

ちなみにもともと「オーシャンズ11」というのはDanny Oceanとその11人の仲間の物語ということだったわけですが、今回の「13人」というのには一体誰が含まれていて誰が含まれていないのか、よくわかりません。まあ今となっては単なる連番に過ぎないのかもしれず、どうでもいいといえばいいのですが、どうも一人足りないような…

ストーリーはといえば、前作までの仲間の一人Reubenが新しいホテルの経営で手を組んでいたBankに裏切られ、そのショックで病院に担ぎ込まれたことで仲間が再び結集し、Bankへの復讐を企て…というような感じです。この復讐の計画というのが相変わらず非現実的な規模で、無茶苦茶な資金が投入されるのですが、あの手この手で難攻不落のカジノを攻め落とすといいながら鮮やかすぎるのかどうもあっさり上手くいきすぎのような気がしてしまいます。まあ、あくまでスタイリッシュに、というのがこの映画のコンセプトの一つでしょうし、観客もそういうものを望んでいるのでしょうか。

ということで悪くはないのですが、やはりシリーズ化してしまうと第一作のような衝撃はなくダラダラしてしまいますので、George Clooneyも「この次はない」と言っている通りこの辺が潮時なのでしょうね。そういえば今回は若い女性があまり出てこないので、その辺りが華が欠けているような印象の原因だったりもするのでしょうか…