フジテレビとのニッポン放送争奪戦で司法も味方につけることができたライブドアですが、今度はフジサンケイグループの中核であるフジテレビの買収に向け動き出すようです。LBO(Leveraged Buy-Out)という「買収後に見込まれる資産を担保に出資を募る」手法を利用するということですが、これはアメリカでは80年代に流行ったのだそうです(わかりやすい解説)。これによって企業価値500億円のライブドアが3000億円もの買収資金を調達するというのだから恐しいものです。様々なアメリカ流のM&A手法を繰り出してくるようですが、必ずしも最新のものではないようですね。80年代には流行ったが今はあまり…ということだとすると、何か問題があるのか、あるいは有効な対抗策が編み出されてしまったということなのではないかと思いますが、その辺りは大丈夫なのでしょうか。とはいえ、RJRナビスコが買収された際にも利用された手法だということなので、かなり強力なものなのだということはわかります。

もし仮にこの買収まで成功してしまった場合、ホリエモンが目指す「メディアITファイナンシャルグループ」という、よくわからない組合せの大企業が生まれてしまいます。それを踏まえて持株会社への移行まで検討し始めているということですから、ホリエモンは本気なのかもしれません。実は買収すると見せかけて株価をつり上げて儲けようとしているだけではないか、などという穿った見方の人もいたようですが、ここまでくると後には引けなくなってきています。

テレビで「ライブドアなんて本業は何だかわからない」などと言っている人もいましたが、別にそれでも構わないのでしょうね。今は金融業で儲けているようですが、だからと言って何ら貶められなければならないというものでもないと思います。表面的なところだけ捉えて叩くようなことはみっともないだけなのでやめた方がいいですね。

それにしてもこんなことをしたら、高裁で負けてしまったために態度をやや軟化させつつあった日枝会長がまた怒り出してしまうのは必至ですが、そちらの方はどう考えているのでしょうか。矢継ぎ早に戦略を推し進めて相手の反撃の隙を与えないというつもりなのかもしれませんが、全てがホリエモンの「想定の範囲内」で進むのでしょうか。少なくとも、政治家や芸能界の大御所など、ご年配の方々も味方に付けられるような戦略を何か考えた方が得策なのではないかと思いますが、いかがでしょうか?それは無理かな?

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