私は小児喘息で苦しい思いをしたということもあって、生まれてこのかた一度もタバコを吸ったことがないのですが、喫煙習慣というのはニコチン中毒という病気の症状そのものでしかなく、まさに百害あって一利なしというものだと思っています。一度習慣になってしまうとその中毒症状によってタバコがないと落着かないようになってしまい、禁煙には相当エネルギーを必要とするようで、禁煙のために苦しんでいる人は本当にお気の毒だと思います。
そういう禁煙のための手助けという意味で「禁煙手当」なるものを設定している会社があるようですが、ヒノキ新薬という会社では喫煙しないことで毎月最高2万円が積立金として支給されているそうです。しかし、喫煙してしまうと全額返還の上、退社しなければならないということで、相応の覚悟が必要と思われます。この手当は1993年に作られたということで、当時としてはかなり時代の先を行っていたのではないでしょうか。
この手当を受け取っていたにも関らず、全社員を対象にした唾液検査で喫煙していることがバレてしまった社員がいて、退職し、積立金からすでに使っていた20万円を天引きで返還させられたそうなのですが、これを労働基準監督署が違法と判断し是正勧告を出していたそうです。確かに就労契約としてはどうなのかな、と思わせる部分もありますが、この手当を受け取るかどうかが任意であれば正当なように感じます。逆に、実際には会社側から強制、または半強制的に禁煙させられ、受け取らされるものなのであればその時点で問題があると思われます。情報が不足しているので本当のところはよくわかりませんが…
喫煙が原因の病気で健康保険組合の負担が大きくなっていることも問題となっているようで、私の勤務先でも禁煙を奨励していますが、特に奨励金のようなものはありません。もともと喫煙しない者にとっては吸わないことが当然なので、やめたからといって手当が出るというのはおかしいように感じてしまいますが、そうでもしないとやめられないというのもニコチンの恐しいところなのかもしれません。私の職場では事務所はもともと禁煙、会議室は数年前から禁煙、喫煙所は徐々に縮小されていて、喫煙者はどんどん肩身が狭くなっていっていますが、いっそのことやめればいいのに、と言うのは簡単でもやっぱり難しいのでしょうか。