F1 GPの年間19戦の中でも最も伝統と格式のあるグランプリとも言われるモナコGPが、モナコ公国のモンテカルロ市街地サーキットで開催されました。今回もBAR Hondaはペナルティにより出場できないということで、琢磨ファン、バトンファンにとっては寂しい週末となってしまいましたが、そうは言っても彼らのファンである以前にF1ファンである私にとってはやはり楽しみでした。また、モナコGPはそのコースを囲むガードレールの存在により数多くのアクシデントを招き、例年波乱のレースとなりますが、今年も例外ではなくフリー走行から何台もの車がその犠牲になってしまいました。

予選では今回もライコネンが速さを見せつけてポールポジションを獲得し、2位にはアロンソが付けていましたが、コース幅が狭く、エスケープゾーンもほとんどなくガードレールに囲まれたモナコではオーバーテイクは至難の技、ということでライコネンが圧倒的に有利でした。去年モナコでポール・トゥ・ウィンを飾ったトゥルーリは5番グリッドからのスタートということで、優勝は厳しいかもしれませんが表彰台は狙えるという微妙なポジションでした。相変わらずミハエルは不調で8番手スタートです。

決勝でスタートではルノーが相変わらずいいスタートを見せましたが、ライコネンは無難にそれを抑えたあとぐんぐん後続を引き離し、結局そのまま誰にも先行されることなくフィニッシュを迎えてしまいました。前戦に引き続き圧倒的な勝利で、その速さが本物であるということを証明して見せたことになり、ドライバーズランキングでアロンソが抜かれてしまうのも時間の問題ではないでしょうか。そのアロンソとフィジケラのルノー2台は序盤から全くペースが上がらず、他車を何台も後ろに引き連れて渋滞を作るだけの存在になってしまっていました。終盤では前を塞ぐフィジケラにしびれを切らしたトゥルーリがホテル前のヘアピンでインを刺すという見せ場を作ってくれましたが、結局この時大きく縁石に乗り上げてしまったせいでサスペンションを痛めたのか後続車数台にパスされてしまうこととなり、結局10位フィニッシュと入賞を逃すことになってしまったのが残念でした。ラルフは何とかミハエルの前、6位フィニッシュでポイントをゲットしています。

今回はRed BullがStar Wars Episode IIIとの全面タイアップで、マシンのカラーリングがStar Wars仕様になっていたりピットクルーがImperial Trooperのカッコをしているなど楽しませてくれましたが、レースの方ではクルサードが前方でスピンするアルバースに気付いて減速したところで後続のミハエルに追突され、ギアボックスを壊しリタイア、リウィッツィもいつの間にかリタイアしてしまったようで不運に終わってしまいました。

フェラーリ勢は7,8位で入賞こそ果たしましたが全く注目されるようなシーンもなく、ミハエルがfastest lapを出したもののそれは一瞬の速さでしかなく、今年のFerrariは終わったと見ていいのではないかというような状況です。ルノーも今回は一体何があったのかというような状況でしたが、またすぐに対策して戦力を取り戻してくるでしょうか。

さて、今週末のヨーロッパGPからはBAR Hondaも復帰し、琢磨も元気な姿をサーキットの走りで見せてくれるのではないかと期待されます。テストではベストタイムを弾き出しているとのことですから、ぜひともバトンと揃って表彰台に登るような姿を見せてほしいものですが、それは欲張りすぎでしょうか…

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