フィリピン、ミンダナオ島の反政府武装組織に匿まわれて旧日本兵が生存している、という情報がトップニュースとして報じられたのは先週のことですが、当初からどうもキナ臭かったこの話はどうやら金儲けのための作り話ではないかということになってきているようです。もともと情報は反政府組織との仲介者であるという日本人を通じて外務省に入り、外務省の担当者がフィリピン入りするなどして対応していたのですが、「仲介者」は一方的に電話で連絡してくるのみで直接の面会を拒み続け、引き渡すためには数千万円の金が必要だなどと金銭を要求していますが、実際の旧日本兵についての具体的な物証等は一切提示されていません。外務省担当者も早期撤収を検討中というような話もあるようですが、全くとんでもなくお騒がせな話です。

ただ、過熱した報道合戦のせいで具体的な氏名まで公表されてしまっていて、もし仮にこれが詐欺だった場合、既にマスコミに登場してしまっている親族や知人の立場はどうなってしまうのでしょうか。マスコミもある意味被害者ということにはなりますが、「嘘でした」ということであっさりと幕を引いてしまうのでしょうか。戦死したと思っていた幼なじみが健在だった、と糠喜びしたご老人たちの心情を考えると、ちょっといたたまれない気持ちになってしまいます。

まあ、まだ嘘と決まったわけではありませんので、決め付けてしまうわけにもいかないのですが…しかし、何しろ戦後60年を経過して誰の記憶にも曖昧なものしか残っていないだけに、何とか騙して金をふんだくろうというような連中にとっては旧日本兵ネタというのはいい思い付きだったのかもしれませんが、一国の政府相手に詐欺を働くというのも凄い話です。

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