琢磨、今季初ポイント!を書いてすっかり満足してしまっていましたが、復活の兆しを見せたのは琢磨だけではありませんでした。

去年の絶好調が嘘のようにすっかり調子を落としていたミハエルがハンガリーの予選では2番手のモントーヤに1秒近く差を付ける圧倒的な速さで、今季初のポールポジションを見事獲得しました。3位にはトゥルーリ、4位には予選最初の出走となったライコネンが位置してさすがというところを見せました。琢磨は10番グリッドからということで今一つですが、ウィリアムズの2台よりは前なので順当なところなのかもしれません。ランキング首位のアロンソは6番手ということで、冴えない結果に終わっています。

決勝はまたしてもアクシデントで幕を開けました。最も不運だったのはレッドブルの2台で、どちらも一周目にグランドスタンド前に帰ってくることなくレースを終えることとなってしまいました。クリエンは最初のコーナーでビルヌーブに接触し、ロール軸で一回転しながら宙を舞って着地し、サンスペンションを壊してあっという間にリタイアです。一方クルサードの方は、トゥルーリに追突したアロンソが壊したフロントウィングを途中で落とし、その破片に気付かずに踏んでしまったことでやはり足回りを壊してリタイアになってしまいました。クルサードはその後、コース上に落ちている破片をレース中に自ら拾いにいくという、スポーツマンシップ溢れる姿をテレビに映していました。

アロンソは一周目に壊したウィングの交換のためにピットインを余儀なくされて大きく順位を落とし、結局そのまま下位で終わることになりました。レースはミハエル、ライコネン、モントーヤの3台が、誰が勝ってもおかしくないような接戦を繰り広げていましたが、モントーヤは首位走行中に突然スローダウンしてリタイアという、最近のマクラレンおなじみの結果に終わってしまいました。その後ピット戦略が奏功したライコネンが勝利を手中にすることになりました。

終盤は3位に上がっていたラルフがミハエルを追い上げる2位争いが見られましたが、結局抜くことはできずに終わりました。それでもラルフにとってはトヨタ移籍後初の表彰台ということで、トゥルーリの活躍ばかりが見られたトヨタで存在感を示すことができました。トゥルーリの方も4位ということで、トヨタの車としてのパフォーマンスが証明されることにもなったのではないでしょうか。

アロンソは11位に終わったわけですが、フィジケラの方も琢磨に抑えられて結局9位ということでルノーはノーポイント、一方マクラレンは10ポイント獲得ということで、チームランキングは117対105と12ポイント差にまで詰め寄ってきました。ドライバーズランキングの方はアロンソ87対ライコネン61ということでまだ開きがありますが、守りに入ったアロンソには勢いが感じられなくなってきていますので、まだまだ逆転のチャンスもあるのではないでしょうか。

私としてはそんなタイトルよりも琢磨のアグレッシブでエキサイティングな走りを再び観たいのですが、次戦イスタンブールはF1初開催のサーキットということで、新しいサーキットには強いという琢磨にもチャンスが回ってきたということでしょうか。大いに期待したいと思います。

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