30年以上の歴史を誇るブラジルの通称Interlagos、Autodromo Jose Carlos Paceで開催された今季第17戦のブラジルGPで、2005年シーズンのドライバー・チャンピオンシップにとうとう決着がつけられました。アロンソは3位以内に入ればライコネンが優勝したとしてもチャンピオンの座に着くことが決まるという圧倒的に有利な状況でしたが油断はせず、逆にライコネンもかなり厳しい状況ではありますが最後まで諦めないということで、真っ向勝負を見ることができました。

一方佐藤琢磨は、前戦ベルギーGPでミハエルに追突してしまったことで理不尽ながらも甘受せざるを得なかった予選順位10位降格のペナルティと、出走順が最初のグループとなってしまう不利な状況を逆に利用して予選アタックはせず、エンジン交換と多めに燃料を積んでのピットスタート&1ストップ作戦を選択し、次の鈴鹿で少しでも有利に予選を走るということを目標としたようです。

Interlagosは左周りかつ路面がバンピーということでドライバーに厳しいサーキットだということですが、予選ではライコネンもミスを犯してしまい5位に沈んでしまいました。ポールポジションはアロンソが獲得し、2番手にはモントーヤ、そのあとにフィジケラ、バトンと続きます。目下コンストラクター・チャンピオンシップを争うルノーとマクラレンに割って入る形でバトンが4位に着けているということからも、今のBAR Hondaの調子の良さがわかります。

決勝スタート直後、モントーヤがアロンソを抜いてトップに立ち、オープニングラップをリードします。バトンはスタートに失敗し6位に沈んでしまい、代わりにライコネンがしっかり3位の座に着きます。中盤ではクルサードがウィリアムズの2台に挟まれ、3台がクラッシュすることになってしまいました。ピットスタートだった琢磨はうまくこの混乱をかわして一気に11位までジャンプアップし、1ストップ作戦と絡めた良い結果に期待が高まってしまいます。

その後は大きな混乱はなく各車順調にラップを重ねますが、そんな中で他車のピットストップの間に琢磨が一時バトンを抜いて6位まで上がりました。結局は自分のピットストップでまた10位まで落ちてしまい、サスペンションのトラブルが発生したということでペースは上がらずそのまま10位でフィニッシュという結果になってしまいましたが、鈴鹿での予選は何とか中盤で出走できることになりましたので、今回の目標は見事達成したといえるでしょう。それにしても、またしてもメカニカルトラブルとは、BARの信頼性もまだまだ問題がありそうです。

また、F1デビューの開幕戦から16戦連続完走という快挙を続けていたモンテイロもついにその記録が止まってしまうことになりました。どんな記録もいつかは途絶えるものなので仕方ありませんが、全戦完走が間近に見えていただけに残念なことです。

レースはモントーヤ、ライコネンの順で、5年振りとなるマクラレン1-2フィニッシュという結果に終わり、それにアロンソ、ミハエル、フィジケラ、バリチェロと続きました。これによりドライバーのチャンピオンシップはアロンソの手に渡ることになりましたが、コンストラクターの方はマクラレンがルノーに2ポイントのリードということになり、まだまだ目が離せないことになっています。各ドライバーも真剣な走りを見せてくれるでしょうから、鈴鹿が消化試合のようにならずに済んだのは嬉しいことです。また、何気なくフェラーリの2台が4位と6位をおさえているというのも来季に向けて期待させてくれるところかもしれません。

それにしても、バトンのBAR残留が決まってしまったことで、琢磨のシートがどうなるのかは本当に不安ですが、ウィリアムズやジョーダンも有力だというようないい噂もありますので、次の鈴鹿までにはいい発表があるのではないかと期待しながら待ちたいと思います。

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